相続放棄を行うためには、必要な書類を揃えて家庭裁判所に申し立てを行わなければなりません。しかし、相続放棄は「相続があったことを知ってから3ヶ月以内」と期限が短くなっているため、効率よく書類を準備する必要があります。

今回は、相続放棄の申し立てに必要な書類の種類と、必要書類に関する注意点についてご紹介します。

相続放棄の必要書類

まず、相続放棄に必要な書類についてご紹介しましょう。全ての申述人(相続放棄の申し立てを行う人)について共通する書類もあれば、被相続人と申述人の関係や相続順位によって必要な書類が変わってくる場合もあります。

全ての人に共通する必要書類

全ての申述人に共通する必要書類は大きく4つあります。

・相続放棄申述書(家庭裁判所で取得)

・被相続人が死亡した記載がある戸籍謄本
※戸籍謄本については、被相続人の本籍地の市町村役場で取得することができます。

・被相続人の最後の住所が載っている住民票の除票
※住民票の除票は、最後の住所地がある市町村役場で取得することができます。住民票の除票は本籍まで記載しておく必要があります。最後の住所地と本籍地が離れている場合には、別々の市町村役場で取得しなければなりませんので注意してください。

・申述人の戸籍謄本
※これは、被相続人と申述人がどういった関係にあるかを証明するために必要な書類です。この戸籍謄本も、申述人が本籍を有するところの市町村役場で取得できます。

配偶者が相続放棄をするときに必要な書類

次に、相続人の配偶者が相続放棄をする時に必要な書類についてですが、これらの種類以外に必要な書類は特にありません。

子供や孫が相続放棄をするときに必要な書類

子供は第一順位相続人となります。もし子供が被相続人よりも先に死亡している場合には、代襲相続として、その孫やひ孫が相続放棄の申述人となることができます。

子供が相続放棄をする際に必要な書類ですが、こちらは配偶者と同じく、改めて必要な書類はありません。

もしも被相続人よりも子供が先に死亡しており、代襲相続が生じた場合には、被代襲者(子供)の死亡が記載されている戸籍謄本が必要となります。これは、実際に代襲相続が起きていることを証明するために必要です。 具体的には以下の通りです。

・配偶者の死亡が記載された戸籍謄本

・子供が死亡している記載がある戸籍謄本(孫が相続する場合)

両親や祖父母(直系尊属)が相続放棄をするときに必要な書類

次に、被相続人の直系の両親または祖父母が相続放棄をする時に必要な書類です。彼らは第二順位相続人です。そのため、配偶者、子供、孫がいないときに初めて相続権が与えられることになります。

こちらも子供と孫のように、被相続人よりも先に両親が死亡しており、その祖父母がまだ生存している場合には、祖父母が相続放棄を行うことができます。

相続放棄を行う際には、前提として、第二順位の相続人に相続権があることを証明する必要があります。そのため、両親または祖母が相続放棄をするにあたっては、自分よりも前の順位の相続人(子、孫)と配偶者が亡くなっているということを証明しなければなりません。

具体的には、配偶者及び子供、孫の出生から死亡までの全ての戸籍謄本が必要となります。 また、もしも相続人である両親が死亡して祖父母が相続権を持っており、祖父母が相続放棄する場合には、両親が死亡している記載がある戸籍謄本が必要です。

まとめると以下の通りです。

・配偶者及び子供、孫(代襲者)の出生から死亡までの全ての戸籍謄本

・両親が死亡している記載がある戸籍謄本(祖父母が相続する場合)

兄弟姉妹や甥姪が相続放棄をするときに必要な書類

相続兄妹姉妹、または甥や姪は、第三順位の相続人となります。

先ほどの直系尊属の場合と同じように、まず配偶者子供または孫がおらず、 直系尊属も死亡しているような場合に初めて兄妹姉妹や甥姪に相続権が移ることになります。

そのため、まずは自分よりも順位が先の相続人と配偶者が死亡していることを証明する書類が必要です。具体的には以下の通りです。

・配偶者及び子供、孫(代襲者)の出生から死亡までの全ての戸籍謄本

・両親、祖父母(代襲者)が死亡している記載がある戸籍謄本

出生から死亡までの全ての履歴を証明する戸籍謄本が必要なのは、配偶者と子供、孫に関してだけです。その後の直系尊属に関しては、死亡記載がある戸籍謄本があれば十分です。

戸籍謄本は全て本籍地があるところの市町村役場で取得することができます。ただ、相続人が増えれば増えるほど戸籍謄本を集める作業は大変なりますので、兄妹姉妹が相続放棄をする時の書類はかなり煩雑になることが予想されます。

財産目録を添付する必要はない

ちなみに相続放棄を行う準備として、財産目録をつくることが必要です。これは、相続放棄をするにあたり、全ての財産がどれだけあるのかということを把握するために必要になる書類です。ただ、裁判所に相続放棄の申し立てを行う際には添付する必要はありません。

必要書類の提出は郵送でもできるのか

次に必要な書類の提出方法ですが、こちらは、被相続人が最後に亡くなった時に住んでいた住所地を管轄する家庭裁判所に提出することになります。提出先は、申述人が住んでいる住所を管轄する家庭裁判所でも、不動産がある土地を管轄する家庭裁判所でもないため、その点も注意してください。

しかしそうなると、申述人が住んでいる場所とはかけ離れたところにある家庭裁判所で相続放棄の申立をしなければならないこともあるでしょう。こういったときに、わざわざ家庭裁判所まで出向いて申し立てを行うというのは時間的にも経済的にも難しいものです。

そのため、必要書類を郵送で送ることもできるようになっています。必要書類を郵送で送るときには、家庭裁判所に納める収入印紙の8,000円と連絡用の郵便切手を入れておくことを忘れないようにしてください。

連絡用の郵便切手がいくらになるのかについては、管轄の家庭裁判所によって異なりますので、事前に問い合わせを行いましょう。

また、申請書を受理した後家庭裁判所がなにか確認したい次女が出た時に陳述人を家庭裁判所に呼び出すことはありますその時には家庭裁判所に出向かなければなりませんので注意してください。

参考:相続の放棄の申述/家庭裁判所

書類に不備があると却下される?

心配なのが、書類に不備があった時に申し立てがどうなるかではないでしょうか。

相続放棄の申し立ては1度きり

相続放棄を行うと、その相続人は最初から相続人ではなかったことになります。相続放棄を行うことで他の相続人へも大きく影響します。そこで、他の相続人の地位を早期に確定するという観点からも、相続放棄の申し立てには3ヶ月という期間が設けられており、申し立ても一度きりしか行えないことになっています。

そのため一度相続放棄の申し立てが却下されてしまったら、再申し立てをすることはできません。

書類に不備があると却下される?

書類に不備があると申し立てが却下されるのでしょうか。これは一概に判断できませんが、 軽微な不備の場合は、即却下されるというよりも、裁判所から申立人に連絡が来て「この書類がありません」とか、「この書類に不備があります」などの連絡がくることになります。

申述人は、この指示に従って必要書類を追加したり、訂正する必要があります。これを「補正」と呼びます。補正が間に入るので、基本的にはそこまで心配する必要はないでしょう。

ただ、書類の不備だけでは絶対に却下されないというわけではありません。不安な場合は、弁護士などの専門家に確認を取るのが確実です。

期限に間に合わないと判断したら

先ほども書いた通り、必要書類を集めるのはかなり大変な作業です。相続放棄ができる期間は「相続が開始したと知ってから3ヶ月」しかありません。しかし、その間に資料が集まらない可能性もあります。

そのときはそのまま3ヶ月が過ぎるのを待つのではなく、家庭裁判所に対して、相続放棄の期間を伸長するという申し立てを行うことができます。申立が受理されればさらに3ヶ月期限が延びることになりますので、書類が間に合わないと思った時には、申し立ての期間を伸長する手続きを行いましょう。

まとめ

今回は、相続放棄の手続きの際に必要な書類についてご紹介しました。全ての人に共通する書類もあれば、被相続人との関係や相続の順位によって必要な書類が変わってくるものもあります。

基本的な考え方として、自分よりも前の順位の相続人が亡くなっていること・自分が相続人であることを証明するための署名が必要だと考えておくと、わかりやすいのではないでしょうか。

相続順位が下がれば下がるほど必要な書類は多くなってきます。相続放棄ができる期間は相続を知ってから3ヶ月しかありませんので、相続放棄をするかどうかの判断は早めに行い、必要書類の準備も取りかかれるものから取りかかるようにしてください。

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