兄弟姉妹以外の法定相続人に認められている遺留分。意に沿わぬ遺産分割が行われたときには、遺留分を自分によこせという遺留分減殺請求が可能です。ですが、遺留分減殺請求は永遠にできるわけではありません。今回は、遺留分減殺請求がいつまでできるのか、その期限や時効についてご紹介します。

遺産相続に強い弁護士に無料相談してみる
日本一気軽に相談できる法律事務所なので安心です
  • 全国どこからでも24時間年中無休でメールや電話での相談ができます
  • ご相談は無料です(弊所無料相談規定により無料相談を承れない場合もございます)
  • ご相談やご質問のみでも気兼ねなくご連絡ください
  • 相続の専門知識をもった弁護士が親身に誠実に対応させていただきます

遺留分減殺請求とは

まずは簡単におさらいですが、被相続人は遺言書などで「息子Aに財産をすべて相続させる」「友人Bに財産をすべて相続させる」といったように、自由に財産を譲り渡す意思表示が可能です。

ですが、兄弟姉妹以外の法定相続人には法律が定めた相続財産の割合があります。これを「遺留分」と呼び、自分の遺留分を主張することを、「遺留分減殺請求」と呼びます。

遺留分減殺請求の時効と起算点

遺留分減殺請求が永遠にできるとすれば、いつまでも相続財産を誰が相続するのかが確定しないことになってしまいます。こうしたことを避けるため、遺留分減殺請求には、民法によって以下の期限が設けられています。

  • 遺留分を主張できる権利者が、相続開始、および贈与、または遺贈があったことを知ってから1年
  • 相続開始から10年

1年のときと10年のとき、それぞれ起算点(時効が始まるタイミング)が異なることにも注意が必要です。

例えば、ずっと相続が始まったことを知らずに15年が経過した場合、「相続開始を知ってから1年」の期限は来ていませんが、「相続開始から10年」という期限が来てしまっています。そのため、この場合は遺留分減殺請求をすることができません。

また、相続開始から7年しか経っていなくても、相続が開始して3年後にその事実を知っていた場合は、「相続開始を知ってから1年」が経過しているため、こちらも遺留分減殺請求ができません。

では、これらの期限を中断することはできないのでしょうか?

遺留分減殺請求の時効を中断するためには

時効を中断させるためには、民法上では、請求、差し押さえ、承認などが必要だと定められています。だとすれば、遺留分減殺請求においてもこれらの行為を行うことで時効を中断できそうにも思えます。

しかし、遺留分減殺請求は一般的な消滅時効とは少し異なります。詳しく見ていきましょう。

遺留分減殺請求は形成権である

まずは、「1年」の期限についてです。消滅時効の原則に当てはめれば、1年間の間に裁判上の請求などを行えば時効が中断し、それまでに進んだ時効が一度リセットされます。そして、またそこから消滅時効が始まることになりそうです。

そしてそこから1年以内にまた催告などをすれば時効が中断する、ということにもなりそうです。しかし、遺留分減殺請求権は形成権だとされています。そのため、時効消滅という概念がありません。

形成権とは、意思表示によって効果が生じ、法律関係が生まれる権利のことです。遺留分減殺請求権を行使することによって、遺留分減殺請求という効果が生じます。

そのため、1年以内に一度でも遺留分減殺請求権を主張すれば、その後時効によって消滅するということはないのです。

「10年」は除斥期間である

一方で、この「10年」という期限についてですが、こちらは時効ではなく除斥期間だと考えられています。除斥期間は時効とは違い、中断や停止といった概念がありません。そのため、10年という期間を中断などによって延長させることはできません。

遺留分減殺請求に関する注意点

遺留分減殺請求については、一般的な消滅時効と少し勝手が異なる他にも、いくつか知っておきたい注意点があります。

減殺請求権とは別に時効にかかる権利がある

遺留分減殺請求では、時効の中断という概念はありませんでした。減殺請求を行う側は、相続の開始などを知ってから1年以内に減殺請求をしなければ権利を主張できないということになります。

ここで注意しておきたいのが、減殺請求をした後の権利についてです。少しわかりにくいので、例を出しましょう。

被相続人Aの法定相続人であるBが、遺留分減殺請求を行い、Aの相続財産の中から現金1,000万円を受け取ることになりました。そうすると、Bは「金銭債権」を受け取る権利を得たことになります。

この金銭債権は、遺留分減殺請求権とは別のものだということをまず押さえましょう。そして、別個の債権である金銭債権は消滅時効の対象となります。そして基本的には、民事債権として10年の時効にかかります。

この金銭債権には、中断という概念があります。例えば、遺留分減殺請求を1年以内に行ってBが1,000万円を得る権利を得たとしても、10年間何もせずに放置していたら、この1,000万円の請求権が時効によって消滅してしまうということです。この点は注意しておきましょう。

生前贈与に対する遺留分減殺請求は範囲が限定される

遺留分減殺請求は、相続だけでなく、贈与財産についても主張することができます。これは遺贈だけではなく、被相続人が生きている間に法定相続人や第三者に生前贈与した財産も含まれます。

しかし、生前贈与した財産を全て対象に含めてしまうと、無限に遡れることになってしまいます。例えば、被相続人が20年前に贈与した財産も遺留分減殺請求できるというのは、さすがに現実的ではありません。

そこで、民法は生前贈与に関しては「相続開始前の1年間」という期限を設けています。ただこれには例外があり、贈与者である被相続人と受贈者が遺留分の権利者を損害することを知って生前贈与をしたときには、1年という期限は適用されません。

遺言無効訴訟と減殺請求、どちらを先にすればいいか

遺留分減殺請求を主張するシーンでは、合わせて遺言書の無効も主張したほうがよいと判断されるケースもあります。

例えば、父親が死亡して兄弟の3人が法定相続人となっていたが、遺産分割協議中に遺言書が見つかった。そこには「長男Aに全ての財産を相続させる」という記載があったが、見つけたのは長男だった。遺言書が偽造されたのではないか、というようなケースです。

こういったケースでは、長男以外の兄弟が遺言書無効確認訴訟を起こすことに加え、遺留分減殺請求を行うことが考えられます。

このとき、遺言書が無効になれば遺産分割協議が始まるため、遺留分減殺請求を行う必要性が低いと思われます。しかし、この場合でも遺留分減殺請求権は行使しておいたほうがいいと思われます。

遺言書無効確認訴訟を起こしたからといって、遺留分減殺請求権を行使したことにはなりません。そのため、相続開始を知って1年遺留分減殺請求権を行使しなければ、時効によって消滅してしまうのです。

遺言書無効確認訴訟で敗訴し、さらに遺留分減殺請求もできないという最悪のケースを避けるためにも、慎重な判断が必要です。悩んだときは専門家に相談しましょう。

まとめ

今回は、遺留分減殺請求の時効についてご紹介しました。遺留分減殺請求権は相続開始を知ってから1年、または相続開始から10年で時効にかかりますが、時効中断という概念がないことが大きなポイントです。

1年という期間は短いものです。バタバタしている間に遺留分減殺請求権を行使できなくなるということのないよう、迅速な行動が求められます。

遺産相続に強い弁護士に無料相談してみる
日本一気軽に相談できる法律事務所なので安心です
  • 全国どこからでも24時間年中無休でメールや電話での相談ができます
  • ご相談は無料です(弊所無料相談規定により無料相談を承れない場合もございます)
  • ご相談やご質問のみでも気兼ねなくご連絡ください
  • 相続の専門知識をもった弁護士が親身に誠実に対応させていただきます
法律問題・トラブルで悩んでいる方は弁護士に無料で相談しましょう

全国対応で24時間、弁護士による無料相談を受け付けております。

弁護士と話したことがないので緊張する…相談だけだと申し訳ない…とお考えの方は心配不要です。

当法律事務所では、ご相談=ご依頼とは考えておりません。弁護士に解決方法だけでもまずは聞いてみてはいかがでしょうか。

ご相談のみで問題が解決する方も多くおられますので、日本一気軽に相談できる法律事務所にメールまたはお電話でご連絡ください。