ホステス等の水商売女性から浮気・枕営業の慰謝料は取れますか?

夫と肉体関係をもった水商売女性から慰謝料は取れないって本当ですか?!

4年ほど前から弁護士にこのような質問が寄せられるようになりました。それはなぜでしょうか。

じつは、平成26年4月14日、東京地方裁判所で下された「枕営業」に関する判決がその理由です。

そこでここでは、この裁判例を中心に、ホステスやキャバクラ嬢といった飲み屋の女性に不貞の慰謝料請求が本当にできないのか、弁護士がわかりやすく解説していきます。

全部読み終えるのに5分ほどかかりますが、もし全て読み終えても不明な点があったり、具体的に水商売の女性に慰謝料請求を検討している方は気軽に弁護士に相談してみましょう。

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なぜ浮気をされたら慰謝料請求できるの?

法律で明記はされていませんが、夫婦の間には「貞操義務」があるとされています。貞操義務とは、お互い以外の異性と性行為をしてはならないという義務です。

そのため、夫婦の一方が他の異性と身体の関係を結べば貞操義務違反として、離婚するかしないかに関わらず、もう片方の配偶者に対して慰謝料を支払う義務が生じます。

では、自分の配偶者と浮気をした相手に対しては何を根拠に慰謝料請求できるのでしょうか。

不貞行為という不法行為があるから

民法709条では、故意(わざと、知っていてという意味)・過失によって人の権利を侵害した場合は損害賠償責任を負うと規定されています。精神的苦痛に対する賠償金を慰謝料といいます。

配偶者の一方と肉体関係をもった者が、相手が既婚者であることを知ってたのであれば、平穏な夫婦生活をおくることができる権利への侵害として、慰謝料の支払い義務を負います。

水商売女性への浮気の慰謝料請求を認めなかった有名な判例

ホステスやキャバ嬢といった水商売の女性には浮気の慰謝料請求ができない。多くの人がそう思うようになった原因である有名な判例を以下で紹介します。

少し長いですが、ご主人さんと不倫したホステス等に慰謝料請求を考えている奥様は必ず知っておくべき判例ですので一度は目を通しておきましょう。

事件の概要としては、原告である妻が、長年夫と肉体関係があった被告であるクラブのママ(以下、「ホステス」とします)に対して、400万円の慰謝料を請求したものです。

東京地判平成26年4月14日判タ1411号312頁(2015年)

「枕営業」の場合には,ソープランドに勤務する女性の場合のように,性行為への直接的な対価が支払われるものでないことや,ソープランドに勤務する女性が顧客の選り好みをすることができないのに対して,クラブのママやホステスが「枕営業」をする顧客を自分の意思で選択することができることは原告主張のとおりである。しかしながら,前者については,「枕営業」の相手方となった顧客がクラブに通って,クラブに代金を支払う中から間接的に「枕営業」の対価が支払われているものであって,ソープランドに勤務する女性との違いは,対価が直接的なものであるか,間接的なものであるかの差に過ぎない。また,後者については,ソープランドとは異なる形態での売春においては,例えば,出会い系サイトを用いた売春や,いわゆるデートクラブなどのように,売春婦が性交渉に応ずる顧客を選択することができる形態のものもあるから,この点も,「枕営業」を売春と別異に扱う理由とはなり得ない

そうすると,クラブのママないしホステスが,顧客と性交渉を反復・継続したとしても,それが「枕営業」であると認められる場合には,売春婦の場合と同様に,顧客の性欲処理に商売として応じたに過ぎず,何ら婚姻共同生活の平和を害するものではないから,そのことを知った妻が精神的苦痛を受けたとしても,当該妻に対する関係で,不法行為を構成するものではないと解するのが相当である。

要するに、ソープランドで働く女性が行うサービス(売春)では慰謝料が認められない(※)のだから、実質的な売春であるホステスの枕営業でも認められないという論理です。

では、この判例がでてしまった以上、ご主人さんの不倫相手がホステスやキャバクラ嬢であった場合、慰謝料請求を諦めるしかないのでしょうか?

※「風俗のサービスであれば不貞にならないってどういうこと⁉」と女性の方は思うかもしれませんが、風俗嬢は商売として男性の性欲処理をこなしており、正当業務行為として違法ではなくなってしまうのです。

ホステスへの浮気の慰謝料請求を諦める必要はない

上で紹介した判例のケースでは、ホステスと男性は7年間、月に1~2回、土曜日の昼間に食事をしてホテルに行き性行為をして17時頃に解散することを繰り返していました。

つまり、同伴でもアフターでもないのに、ホステスが男性と肉体関係をもったことを「枕営業」と認定し、枕営業=売春という理論で慰謝料請求認めませんでした。

これでは、ホステスが男性客と関係を持つことは「売春婦を買った」ことと同列に扱われ、不貞行為の慰謝料請求が認められる余地がなくなるようにも思えます

しかし、以下の2つの理由から慰謝料請求を諦める必要はありません

あくまでも地方裁判所の判決である

この判例は、東京地方裁判所が出した判決によるものです。

日本では三審制が採られているため、地方裁判所の判決に不服の場合、高等裁判所に控訴したり、さらに上告して最高裁判所まで争うこともできます。

本件の原告女性はそれ以上争うことなく地方裁判所の判決止まりとなりましたが、高裁や最高裁まで争われていたら地裁とは違った判決が下されたのではという意見も出ています

とくに最高裁判所の判決は同様の内容の裁判の模範となるものであり、実務では最高裁判例に倣って判決が下されるのが一般的です。

地方裁判所の判決も他の裁判に影響を与えないと言ったらウソになりますが、やはり最高裁判決と比べるとその与える影響力は低下するでしょう。

そのため、地方裁判所の1つの判例をもって、ホステスへの不貞の慰謝料請求ができないと断定するのは早すぎるでしょう。

この判例の後に慰謝料を認める裁判例もある

これまでお伝えしてきた、東京地方裁判所平成26年4月14日判決のあとに、原告を妻、被告をホステスの女性とする、不貞行為による慰謝料請が認められる裁判例(東京地判平成30年1月31日(平成28年(ワ)第43410号))がでてきました。

この裁判例では、「いわゆる「枕営業」と称されるものであったとしても,(省略)~配偶者である原告に対する婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益に対する侵害行為に該当する以上,不法行為が成立する」と判示しました。つまり、枕営業であっても不貞行為になると判断したことになります

ホステスへの慰謝料請求の準備として証拠を集めましょう

上記の理由から、ホステスへの浮気・不倫の慰謝料請求も可能であることがわかりましたが、不貞の証拠がなければ、裁判には勝てません。

これは浮気・不倫の証拠になるもの?と迷った人のための情報まとめで詳しく解説していますが、ホテルや浮気相手の自宅への出入り写真が有力な不貞の証拠になります。

しかし、もしそれがなかったとしても、”肉体関係があったと推測できる”、ホステスと夫のメールやLINE・SNSでのやり取り、夫が不倫を認めた発言を録音した音声、領収書(ラブホテル等)などがあれば有利になるでしょう。

興信所に浮気調査を依頼すると、ホステスに請求できる慰謝料額を調査費用を越えてしまうこともあります。まずは手持ちの証拠で争えないかを弁護士に相談した方が良いでしょう。

慰謝料の相場

では、ホステスと夫との肉体関係が不貞行為と認められた場合、支払われる慰謝料の相場はいくらくらいになるのでしょうか?

慰謝料相場に明確な基準はないため、あくまでも判例をもとにした大まかな数字ですが、一般的には、夫の浮気相手の女性に請求する慰謝料の相場は50万円~300万円程度といわれています。

それに対し、浮気相手がホステスの場合、慰謝料の相場としては数十万円~150万円前後が相場とされています。

慰謝料相場が低いのはなぜ?

裁判における慰謝料算定の基準として、請求される側の資力(経済力)が含まれます。

銀座や六本木などの高級クラブのホステスは別としても、地方都市のスナックやクラブ、バーなどの飲み屋で働く女性の給与水準は高くありません。

仮に稼げていたとしても、水商売の女性は確定申告をしない人も多く、働いている店が社会保険未加入であるなど、国ですら正確な収入を把握していない現状があります。

そのため、水商売=給与水準が低いという認識のもと慰謝料計算がされることから、一般的な慰謝料相場より低額になってしまうのです。

ホステス等の水商売の女性から慰謝料はとるには?

ホステスが不倫を認め、任意に支払ってくれれば問題ないのですが、支払いを拒否された場合は裁判を起こす必要があります。

裁判を起こすには最低限、女性の氏名と住所が必要です。しかし、ホステスは源氏名で働いているうえに住所もわかりません。

仮に、氏名や住所を知ることができて訴訟で勝訴したとしても、実際に慰謝料を支払わせるのが困難なこともあります。

水商売という職種は職場を比較的簡単に変えることができるため、給与の差し押さえが容易ではありません。

できればホステスの財産を差し押さえたいところですが、預貯金がある銀行口座が不明ではそれもできません。また、本当に女性に資力がないこともあるでしょう。

では、どうすれば慰謝料がとれるの?

弁護士であれば、弁護士照会制度を使い、女性の携帯番号等から契約者情報である氏名や住所を調べることができます

また、勤務先の飲食店等に対しても照会を行うこともできますので、裁判を起こすための氏名や住所といった情報を得ることも可能です。

さらに、弁護士照会制度によって銀行口座の洗い出しも可能ですので、預貯金があれば差し押さえをすることもできます。

その他、一定の条件のもとに、ホステスが所有する財産を開示する手続きを裁判所に申し立てることもできます。

それでもホステスの資力が乏しいようであれば、弁護士が交渉することで分割払いの約束をとりつけることも可能です。

夫の浮気相手が水商売の女性であるからといって慰謝料請求を諦めずに、まずは弁護士に相談してみましょう。

当法律事務所では、不倫の慰謝料請求や離婚問題の解決を得意としております。親身誠実にあなたの味方になりますので、お気軽にご相談ください。相談する勇気が解決への第一歩です。

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