結婚したいと考えた場合、実は日本の法律上は結婚するための要件をいくつか設定しています。

その中でとくに、再婚しようと考えている方に注意をして欲しいのが、「再婚禁止期間」と呼ばれる期間についての要件です。

「再婚禁止期間」を簡単に説明すると、“離婚後に結婚を禁止される期間”のことを指します。「そのまんま!」と思われるでしょう。

しかし、近時は女性と男性との間の制度の違いという観点や、そもそも、再婚禁止期間が必要かどうかについて、大変注目されています。再婚したい二人のためにも、是非本稿をお読みいただき、再婚禁止期間についてマスターして下さい。

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再婚禁止期間とは?

再婚禁止期間とは、父性の重複を避ける目的で設定された、法律上の婚姻が禁止される要件の一つです。

ただし、この再婚禁止期間によって再婚が禁止されるのは女性だけとなっています。また、再婚禁止期間に違反すると、役所で婚姻届を受理してくれないので法律上再婚できません。

再婚禁止期間は現在では100日となっていますが、平成28年6月の民法法改正以前は、女性の再婚禁止期間は6ヵ月でした

以前からこの期間については改正すべきとの意見がありましたが、平成27年12月16日の最高裁判所判決で、「100日を超える部分は違憲(憲法違反)」との判例が出たことを受けて、民法が改正されました。

過去には、6ヶ月の期間は違法ではないという最高裁判決もあった

先に紹介した「100日を超える部分は違憲」という判例ができるまでは、ずっとかわらず裁判所の考え方は女性に対する再婚禁止期間は6ヵ月とされてきました

過去には次のような裁判がありました。離婚後、6ヶ月を待たずして婚姻届を出そうとして市役所に受理されなかった人が、再婚禁止期間は、法の下の平等(憲法14条1項)、両性の平等(憲法24条)に違反すると主張して、再婚禁止期間を定めた法律(民法733条)の改廃(改正や廃止)をしていない国に対して慰謝料の請求をしました。

しかし、1審(地裁)2審(高裁)で請求が棄却され、最高裁でも上告が棄却されました(平成7年12月5日最高裁判例)。

再婚禁止期間を設ける趣旨が「父性の推定の重複を回避し、父子関係をめぐる紛争の発生を未然に防ぐことにあると解される」ことから、国会がこの法律を改廃しないことは違法ではない、というのがこの判決の理由です。

近年変更された再婚禁止期間についての最高裁判決とは?

従来から有力な意見として、再婚禁止期間については削除するか、若しくは、その期間について最低限100日とすべきとの意見が交わされていました。

変更された再婚禁止期間についての判例とは、まさにこうした意見を認める形式で、再婚禁止期間の制度の維持について容認しつつも、100日を超える部分の再婚禁止期間は認められないと判断しました。

当初、民法が制定された当初の考え方として、「妻は前夫に対しても貞操をまもるべきであって、離婚してすぐ結婚するなんてとんでもない」という考え方がありました。また、こうした考え方を時代背景として、法律的な線引きとして、「父性の無用な重複を避ける」目的として、6か月間の再婚禁止期間が容認されてきました。

一方で、平成27年12月16日に新たに出た最高裁判所の判決によると、憲法上保証される両性の平等の観点から、婚姻に関する直接的な制約を行うことは違憲だということを根拠とし、法技術上の観点から再婚禁止期間は100日設ければ十分であって、これを超える部分は違憲だと判断されました。

再婚禁止期間が完全に無くならない理由

再婚禁止期間についての従来からの考え方とは、父性の無用な重複や混乱を避ける目的だとされてきました。

最新の最高裁判所の判例でも、たとえDNA鑑定で容易に親子関係を確定できるとしても、再婚禁止期間を設けない場合には、一定の裁判手続でこうした科学的な検証を行わないと、父を確定できない等の不都合が生じると判断されています。

要するに、「父が誰か確定できない場合、裁判でDNA鑑定しないと結論がでないことになり、やっぱり不便だから再婚禁止期間の制度はあった方がいいよね」ということでしょう。

女性の再婚が禁止される期間とは?

日本では女性のみ再婚禁止期間が設けられています。女性の再婚が禁止される期間とは、「前婚の解消又は取消しの日から起算して100日」です。以前は“嫡出子”という言葉に代表されるように、子の“嫡出性”について社会的に重要視されていました。つまり、再婚禁止期間は、父性の重複を防ぐ目的だけではなく、“その出生した子が嫡出子かどうか”(婚姻中に生まれた子かどうか)を確定させる目的でも運用されていました。

しかし、現在は婚姻内で出生した子(嫡出子)と、婚姻外で生まれた子(非嫡出子)を法的に区別することの意味が薄れたことから、再婚禁止期間についても疑問視されてきました。かつては、子が嫡出であるかどうかは、相続権の問題にからみ重要性がありました。ところが、時代が移り変わるにつれて、人々の倫理観や家族観が変化した結果、嫡出性を重要視する考え方は認められづらくなりました。

同様に、女性の再婚を禁止するという法制度も長年にわたり疑問が投げかけられ、ついに、最高裁判所も態度を改め、再婚禁止期間という制度そのものは否定しないながらも、その期間を100日と判断しました。なお、最新の平成27年12月16日の最高裁判所判決によると、「人々の家族観は変化する」ということを確認しつつ、今後の時代の変遷によって、再婚禁止期間が違憲となり得る場合があると、判断に幅を持たせています。

海外の再婚禁止期間とは?

どうやら再婚禁止期間を採用している先進国は少数派になりつつあるようです。

そもそも、アメリカ、イギリス、オーストラリア等の英米法諸国は、再婚禁止期間はありません。州法にもよりますが、一般的に離婚の条件として、“一年以上の別居”としている場合が多く、こうした手法によって、再婚禁止期間は当初から設けていないようです。

ドイツ、フランスなどのヨーロッパの国々でも、女性差別であるとして、再婚禁止期間を設けてはいません。

ただし、これらの国と日本との大きな違いは“離婚しやすさ”です。

諸外国では、例えば離婚する場合に必ず裁判所に関与してもらわないといけません(例:ドイツ等)。

それに対し、日本は当事者同士が合意するだけで離婚できます。そのため諸外国に比べて、離婚しやすい制度の日本では「父親が誰か?」という問題が起きやすく、そのため、再婚禁止期間という法律上のルールが求められてきました。

再婚禁止期間の100日の計算方法

再婚禁止期間の法律上の書き方は「女は、前婚の解消または取消しの日から起算して百日を経過した後でなければ、再婚をすることができない(民法733条1項)」と書かれています。

つまり、離婚が成立した日、つまりは、協議離婚の場合は離婚届を役所に提出した日、調停離婚の場合は調停成立日、裁判離婚の場合は裁判確定日がそれぞれ再婚禁止期間の起算日となります。

この点、「初日不参入の原則」に従えば、離婚成立日の翌日から100日を経過しなくてはならないのでは?と思う方もいるのではないでしょうか。

「初日不算入の原則」とはなにか、以下の条文を見てみましょう。

民法140条

日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。

再婚禁止期間とはその名の通り、「期間」を定めたものですので、”期間の初日は、算入しない”という民法の初日不算入の原則に照らし合わせれば、離婚成立日は再婚禁止期間に含めずに、離婚成立日の翌日から100日の期間が開始するのではないかとも思われます。

しかし、もう一度、再婚禁止期間を定めた条文の文言を確かめてみましょう。
「女は、前婚の解消(離婚)または取消しの日から起算して百日を経過した後でなければ、再婚をすることができない(民法733条1項)」

つまりこの条文によると、離婚成立日が起算日となり、初日不算入の原則は適用されないことになります。離婚が成立した日を含めて100日を計算するということですね。

もう少し詳しく説明しましょう。
例えばある人が、4月1日の午後14時に役所に離婚届を提出したとします。離婚の成立日は4月1日ですね。
そして、再婚禁止期間の起算日は、離婚成立日ですので4月1日です。
4月1日を含めた100日後は、同年7月9日となりますので、再婚できるのは7月10日0時~から(100日が経過した後である必要があるので)となります。

カレンダーの画像。離婚成立日を再婚禁止期間の起算日として、100日後を再婚禁止期間最終日、101日後が再婚可能日であることをカレンダーにマークして示している。

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再婚禁止期間の例外とは

再婚禁止期間の主な目的が「父性の重複による混乱を防止すること」であることから、その父性の重複が考えられない場合には例外的に再婚禁止期間は適用されません。

民法733条

1.女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して百日を経過した後でなければ、再婚をすることができない。
2.前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 女が前婚の解消又は取消しの時に懐胎していなかった場合
二 女が前婚の解消又は取消しの後に出産した場合

このように条文では、①離婚時に女性が懐胎(妊娠)していなかった場合②離婚後に出産した場合、この2つのケースでは再婚禁止期間は適用されない、つまりは100日待たずとも再婚できますと明示しています。まずはこの2つのケースについて分りやすく解説していきます。

また、このように条文で明示されていなくとも、父性の重複が考えられないケースについては実務上は再婚禁止期間が適用外となっていますので、それらについてもご紹介します。

1.女性が離婚時に妊娠していない場合

離婚時に女性が妊娠していない場合には、「お腹の中の子は、元夫の子か再婚相手の男性の子か」といった父性の重複問題が生じません(そもそも妊娠していないので当然ですが)。

よって離婚後100日以内であっても再婚が可能です。女性が妊娠していないことの証明は、実務的には医師が診察し、記載した証明書が必要となります。

ただし、これらの場合には婚姻届を戸籍課に提出する際に、資料として医師の診断書等の提出が必要となります。

一般的な提出資料としては、再婚する男女の戸籍謄本が必要ですが、これだけだと再婚禁止期間の例外に該当するか窓口で判断できないため、補足資料が必要となるのです。

2.離婚後に女性が出産した場合

733条2項2号の「女が前婚の解消又は取消しの後に出産した場合」という規定は、あくまでも再婚禁止期間である100日を適用外にする要件ですので、この”出産した場合”というのは、離婚後100日以内に出産したケースを指します。

そして、離婚後すぐに再婚予定の相手と身体の関係をもったとしても100日以内で出産に至ることはありませんので、この出産した子供は元夫との間の子であると推定できます。

つまりは父性の重複の問題が生じませんので、再婚禁止期間の100日を待たずとも、出産後にすぐに再婚が可能となるので。

この点、女性が離婚前から再婚予定の相手と不倫関係にあったとすれば、父親はどちらかという問題が生じるのではないかといった意見もありますが、法律にそのような特殊な事情を加味してしまうと混乱が生じてしまうため、あくまでも社会一般的に予定されている、離婚後の再婚予定相手との性行為を前提に考えるようにしてください

3.再婚相手が同じ相手の場合

離婚した相手とよりを戻す場合も、父性の重複で混乱が生じる恐れがないため、再婚禁止期間であっても婚姻可能です。

一時の感情の高まりで離婚してしまった場合でも、ある程度の冷却期間を通じて、お互いの存在を再認識することは珍しくはありません。こうした場合であっても、法律で再婚を禁止されるとしたら不適当なので、前婚と同一の相手(夫)と再婚する場合には、制限がかからないことになっています。

4.物理的に妊娠できない場合

女性が閉経している場合や、過去の病によって子宮を摘出している場合等、物理的に妊娠ができない場合にも、この例外に該当して100日以内でも再婚をすることができます。

閉経や不妊手術の場合も医師の診断書を添付することで再婚禁止期間を適用せずに再婚できます。

なお、過去の判例によると67歳以上であれば閉経と認められますが、現実的には女性が閉経を迎えるのはもっと早いはずですので医師の診断書で証明する方がほとんどです。

5.夫が失踪宣告を受けた場合

失踪宣告とは、ある者が、生死不明の期間が7年経過したり(普通失踪)、戦争や船舶事故などの危難によって失踪し、その危難が去ってから1年経過したとき(特別失踪)に、生死不明者を死亡したものと看做して、その者にかかわる法律関係を一旦確定させる制度です。

この期間が経過した後、配偶者や相続人などの利害関係人が家庭裁判所に請求し、審判が確定すれば失踪宣告がなされて、失踪者は死亡したものと法律上みなされます

そして、夫が死亡したと法律上は扱われることで、妻は法律上は未婚の状態になりますし、失踪期間中は当然ながら夫と男女の関係に至ることはありませんので、父性の重複の問題は生じません。よって再婚禁止期間の適用はありません。

6.夫が3年以上生死不明のため裁判離婚した場合

民法770条(※一部抜粋)

1.夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

配偶者の生死が3年以上不明の場合は、離婚裁判を起こして離婚することが可能です。

夫が生死不明で3年以上音信不通であれば妻の訴えにより離婚が成立しますので、妻は独身の状態に戻ります。

そして3年以上音信普通であったわけですから男女の関係もなく、父親がどちらなのかといった事態も生じませんので再婚禁止期間は適用されません。

ただし、生きていることがわかっていて単に音信不通であったとか、警察への捜索願・勤務先や友人知人へ聞きまわる等、考えうる捜索方法を全て試したがそれでも発見できなかったという証明ができなければ3年以上の生死不明として離婚が認められない可能性があるので注意が必要です。

まとめ

ここまで再婚禁止期間について説明してきました。この再婚禁止期間について、“わかりやすく”まとめると、「女性は離婚後100日以内は婚姻できないが、離婚時に妊娠していないか、離婚後に出産した場合には例外的に婚姻できる」ということでしょう。最高裁判所が最新の判例で触れていましたが、時代によって人々の倫理観や家族観は変化するものです。もしかしたら、今後再婚禁止期間そのものがなくなる将来もあるかもしれません。

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