身内の家族などが亡くなってしまった場合、故人の財産などに関して各種の相続手続きをする必要があります。

たとえば、葬式代を支払うため故人の銀行預金などを引き出そうとする場合には、その相続人であることを銀行などに対して証明することが必要となります。
この場合、従来の取り扱いでは金融機関などごとに大量の戸籍謄本の提出が要求されるなど、当事者にとって面倒な手続きが必要でした。

このような相続手続きにおける不都合を解決するため、2017年に発足したのが「法定相続情報証明制度(ほうていそうぞくじょうほうしょうめいせいど)」です。
これは、法務局が発行する相続に関する証明書を使うことによって、上記のように大量の戸籍が不要となり相続手続きを簡単に行えるように配慮された制度です。

今回は、この「法定相続情報証明制度」についてご紹介します。

本記事をお読みいただくことによって……

  • 「法定相続情報証明制度とは、どんな制度なのか?」
  • 「制度のメリット・デメリットとは?」
  • 「制度を利用するために必要な手順は?」

など、みなさんが疑問に思われている事柄を理解していただけると思います。

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1.法定相続情報証明制度とは?

法定相続情報証明制度とは、法務局(登記所)で一定の手続きをすることを条件として、被相続人と相続人の関係をより簡単に証明できるようにするための制度です。

具体的には、法務局に法定相続人に関する情報を一覧図にした「法定相続情報一覧図」の保管を申し出ることで、以後5年間法定相続情報一覧図の写し(法定相続情報証明)の交付を受けることができる制度です。

法務局で法定相続情報証明の交付を受けることで、相続登記や銀行や保険会社などでの相続に関する手続きが簡単に行えるようになります。
法定相続情報証明を提出することで、従来は金融機関ごとに毎回必要だった大量の戸籍の提出が不要となるのです。

制度創設の経緯

法定相続情報証明制度は、近年社会問題となっている「所有者不明土地問題」を解決するための方策として導入されたものです。

「所有者不明土地問題」とは、所有者が死亡した不動産に関して、その相続人が遺産分割や相続登記をしなかったために現在の所有者が誰であるのか登記簿などによってすぐに確認することができなくなってしまっている不動産の問題です。

行政機関や不動産の開発業者などが、ある地域を再開発しようとした場合、そのエリアの中に所有者が不明な土地などがあると工事を進めることができません。
このため、所有者不明の土地は地域の再開発の大きな障害となっており、近年では社会問題化しているのです。

相続登記の促進を目指す

ある人が死亡し、その相続財産の中に不動産が含まれている場合、相続人は遺産分割協議をして不動産登記をする必要があります(※)。

しかし、相続登記をする際には専門的な書類を作成・収集して法務局で一定の手続きをしなければいけません。
このときの負担を軽減し、相続人に相続登記を行いやすくさせようというのが法定相続情報証明制度が創設された理由なのです。

※相続登記を義務化しようという議論はありますが、現時点では相続登記をするかどうかは当事者の自由な意思に任されています。相続登記をしなくても法律上の罰則を受けることはありません。しかし、この扱いが所有者不明土地問題を招いていると批判されています。

2.法定相続情報証明制度で何が便利になるのか?

法定相続情報証明制度は、相続に関して主に、つぎのような手続きをするときに利用することができます。

  • ① 相続登記
  • ② 預貯金の相続手続
  • ③ 保険金の請求
  • ④ 保険の名義変更手続
  • ⑤ 有価証券の名義変更手続

これらの相続に関する手続きを行う場合、従来は毎回大量の戸籍謄本等が必要とされました。
上記①から⑤に関する行為は被相続人名義の財産に関する手続きであるため、名義変更を受ける者が本当に被相続人の相続人なのかどうかについて、毎回確認を受ける必要があったからです。

特に、これらの手続きを同時に重複して行おうとする場合には、同一内容の戸籍謄本等が複数必要となるため当事者に負担がかかることがありました。
大量の戸籍を入手するためには、場合によっては1万円を超えるようなケースもあるため、1つの手続きが終わってからつぎの手続きをすることを余儀なくされることも多かったのです。

たとえば被相続人名義の銀行預金と生命保険に関して相続の手続きをしようと思っても、銀行と保険会社で戸籍の提出を求められるため、事実上同時に手続きを行うことが難しかったのです。

このため相続に関する手続きは、1つが終わってからまたつぎの手続きをしなければならず、結果として相続人に大きな負担がかかることが多かったのです。

しかし、法定相続情報証明制度を利用した場合には、相続に関する証明書(法定相続情報証明)を必要な枚数発行してもらうことができます。
相続登記をするときや、相続に関する手続きを複数の金融機関で行う場合には、法定相続情報証明を法務局や各金融機関などに提出することにより同時並行的に相続手続きを行うことができるようになるのです。
しかも、証明書の発行手数料は無料であるため、当事者にとって金銭的な負担の軽減も図られています。

たとえば、銀行と保険会社で相続手続きを行う場合には、法務局で発行された法定相続情報証明を1通ずつ提出することによって同時に手続きを行うことができるようになるのです。

3.法定相続情報証明制度のメリット・デメリット

法定相続情報証明制度を利用した場合、つぎのようなメリット・デメリットが考えられます。

(1)法定相続情報証明制度のメリット

①相続に関する手続きが簡単になる

法定相続情報証明制度を利用した場合、相続に関する手続きが簡単になるというメリットがあります。

たとえば相続登記をする際には、不動産の所有者である被相続人や相続人の戸籍謄本だけでもつぎのようなものが必要です。

  • 被相続人の出生から死亡に至るまでの連続した戸籍の謄抄本など
  • 相続人全員の現在の戸籍の謄抄本
  • 相続人の住民票

特に被相続人の戸籍に関しては、戸籍が改正などをされるごとに別の謄本等が必要となるため、これらの戸籍は大量になることがよくあります。
相続登記に限らず、銀行などでの相続に関する手続きをする際には、従来はこれら大量の戸籍などを手続きのたびに提示する必要があったのです。

また、相続関係者の間に代襲相続が発生しているような場合には、さらに必要となる戸籍などが増加するため当事者に過剰な負担がかかることがよくありました。

ところが法定相続情報証明制度を利用した場合には、最初に法務局で一定の手続きをしておけば、それ以降は法定相続情報証明という法務局による証明書を提示するだけで手続きを行うことができるようになったのです。

②制度の利用料金が無料

相続に関する手続きは、何かと手間がかかり面倒なものです。
しかし、法定相続情報証明制度を利用することで、従来必要だった手間を省略できます。

しかも、この制度は利用料金が無料とされています。
相続手続きで証明書が必要となった場合には、無料で発行を受けることができます。

ただし、制度を利用するためには最初に戸籍謄本等が悲痛となるため、それらの取得には役所所定の発行手数料がかかります。
戸籍が大量になる場合、発行手数料の合計が1万円を超えるケースもありますので注意が必要です。

③登録から5年間利用可能

法定相続情報証明制度は、一度必要事項を登録すると5年間情報が保存されることになっています。
このため、この期間内であれば何度でも証明書の発行を受けることができ、相続手続きをするために長期間が必要な場合にも対応することができるようになっています。

(2)法定相続情報証明制度のデメリット

法定相続情報証明制度を利用するためには、後述するように法務局(登記所)で一定の手続きを行う必要があります。

その際には、被相続人や相続人の戸籍謄本等が大量に必要となることがあります。
戸籍は本籍所在地の役所でしか入手することができないため、大量の戸籍を取ることは当事者にとって大きな負担となる可能性があります。

また法務局に相続情報を登録する際には、相続人の一覧図を自分で作成する必要があるため、慣れない人にとっては難しい手続きと言わざるを得ません。

しかし、この手続きは弁護士などの専門家に依頼することも可能ですので、自分で手続きすることが難しい場合には手続きの代行を依頼するとよいでしょう(後述)。

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4.手続きは専門家に依頼も可能

法定相続情報証明制度を利用するためには、法務局に一定の書類を提出する必要がありますが、法律に詳しくない人にとっては難しい手続きであることは間違いありません。

もし、自分で手続きを行うことが難しい場合には、法律などの専門家に依頼して手続きを行ってもらうこともできるようになっています。
手続きを依頼することのできるのは、つぎのような専門家とされています。

弁護士・司法書士・土地家屋調査士・税理士・社会保険労務士・弁理士・海事代理士・行政書士

専門家に手続きの代行を依頼した場合、当然専門家への費用が発生することになりますが、もし自分で手続きすることが難しい場合には検討するとよいでしょう。

5.法定相続情報証明制度を利用する前の確認事項

法定相続情報証明制度を利用するためには、いくつかの条件があります。
具体的には、利用できる人に2つの制限が定められています。

(1)利用できるのは相続人だけ

法定相続情報証明制度を利用することができるのは、被相続人(故人)の相続人に限定されています。
たとえば、ある人が死亡し、その相続人がA・Bだったとしましょう。
この場合、法定相続情報証明制度を利用することができるのは、AさんとBさんだけとなります。

なお、相続権が認められる人(相続人)の範囲については、以下の記事を参照してください。

なお、法定相続情報証明書は戸籍などから判明する法定相続人を証明するものです。
そのため、相続人に関して相続の放棄・相続の欠格・廃除などによって相続権が認められない人も相続人として表示されることがありますので注意が必要となります。

(2)戸籍がないと利用できない

法定相続情報証明制度を利用するためには、最初に法務局に登録する時点で被相続人や相続人に関する戸籍謄本等が必要になります。
このため、日本国籍を持っていないなどの理由によって戸籍がない場合には制度を利用することができません。

6.法定相続情報証明制度を利用するための4ステップ

法定相続情報証明制度を利用するためには、つぎの4つのステップが必要になります。

  1. (1) 必要書類を集める
  2. (2) 法定相続情報一覧図を作る
  3. (3) 「申出書」を作成する
  4. (4) 法務局へ提出する

順を追って説明いたします。

(1)必要書類を集める

法定相続情報証明制度を利用するためには、法務局に相続に関する必要事項を登録する必要があります。
そのためには、まず相続に関する当事者が誰であるかを証明しなければいけません。

相続の関係者が誰であるかを明らかにするため、以下の戸籍謄本等が必要となります。

①必ず提出しなければならない書類

被相続人の戸籍謄本等

原則として、被相続人の出生から死亡に至るまでの連続した戸籍の謄本等が必要になります。
生前、被相続人が本籍地を移動していた場合には、移動するごとに新しい本籍地で作られる戸籍が必要となるので注意が必要となります。

被相続人の出生から死亡に至るまでの連続した戸籍の謄抄本によって、つぎの事実が分かります。

  • 被相続人が死亡したこと
  • 相続人が誰であるか

なお、本籍地が遠方のため役所の窓口を訪れることが難しいような場合には、戸籍謄本などは郵送での取得も可能です。
詳しくは、下記の記事を参照してください。

相続人の戸籍謄本等

相続人が現在も生きていて法律上、相続権が認められることを確認するために、相続人の現在の戸籍の謄本等が必要になります。

上記、被相続人の戸籍謄本等によって確認された相続人がすでに死亡しているような場合には、代襲相続の問題になります。

被相続人の住民票の除票

被相続人の最後の住所を明らかにするため、被相続人の住民票の除票が必要です。
被相続人の最後の住所地を管轄する市区町村役場で入手可能です。

申出人の身分証明書

法定相続情報証明制度の利用手続きをする人(「申出人」)の身分を証明する書類が必要となります。
具体的には、つぎのうちのどれか1つが必要です。

  • 運転免許証のコピー
  • マイナンバーカードのコピー
  • 住民票記載事項証明書(住民票)

②場合によっては提出が必要となる書類

相続人以外の者が申し出の手続きをする場合や、法定相続情報証明(法定相続情報一覧図)に記載する内容によっては、つぎのような書類の提出が必要となります。

各相続人の住民票記載事項証明書(住民票)

相続情報証明に各相続人の住所を記載したい場合、各相続人の住民票記載事項証明書(住民票)が必要となります。

法定相続情報証明には、原則として各相続人の住所は表示されません。
しかし、その表示を希望する場合には各相続人の住民票などを添付することで、相続情報証明上に各相続人の住所を記載してもらうことができます。

委任状(代理人が手続きを行う場合)

委任を受けて相続人以外の者が代理人として申し出の手続きをするする場合、委任状が必要となります。

戸籍謄本等(親族が代理人の場合)

申し出の手続きをする代理人が相続人の親族である場合、その関係を証明するために戸籍謄本等の提出が必要になります。

なお、「①必ず提出しなければならない書類」の戸籍謄本等で親族関係が分かる場合には、添付不要となります。

身分証明書の写し(資格者代理人が代理する場合)

法定相続情報証明の申し出を行うには、弁護士や司法書士など一定の資格を有する者を代理人として手続きを行うことが認められています。
これら資格者を代理人として手続きを行う場合には、その者が資格を有していることを証明するため資格者の所属団体が発行する証明書の写しの提出が必要となります。

戸籍の附票(被相続人の住民票の除票が添付できない場合)

申し出の手続きを行うためには、被相続人の住民票の除票の提出が必要です。
しかし、役所ですでに廃棄されてしまい入手できないような場合には、被相続人の戸籍の附票を提出することになります。

戸籍の附票は、最後の住所地の役所ではなく、本籍所在地の役所で発行を受ける必要があるので注意してください。

(2)法定相続情報一覧図を作る

被相続人の戸籍を基に、被相続人と相続人との関係を明示した「法定相続情報一覧図」を作成します。
イメージとしては、小規模な家系図という感じでしょうか。

法定相続情報一覧図は、つぎのページを参考に頑張って作ってみてください。

参考:主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例(法務省)

(3)「申出書」を作成する

法定相続情報証明制度を利用するためには、「申出書(もうしでしょ)」を作成する必要があります。

申出書については、各法務局で入手することができますが、下記のサイトからダウンロードすることも可能です。
ただし、ファイルはワード文書となっていますので、パソコンを持っていない場合には法務局で入手することをおすすめします。

パソコンとワードファイルを編集できるソフトを持っている場合には、必要事項を入力しプリントアウトすることで申出書を作成することができます。

参考:「申出書(ひな形)」(法務省)
参考:「申出書の記入例」(法務省)

(4)法務局へ提出する

法定相続情報証明制度を利用するためには、「申出書(もうしでしょ)」とともに各種の戸籍と法定相続情報一覧図を法務局に提出する必要があります。

申出をする登記所は、以下の地を管轄する登記所のうち、自由に選択することが認められています。

  • ① 被相続人の本籍地(死亡時の本籍を指します。)
  • ② 被相続人の最後の住所地
  • ③ 申出人の住所地
  • ④ 被相続人名義の不動産の所在地

提出は郵送も可能

法定相続情報証明制度を利用するための申出書や戸籍謄本等、相続情報一覧図の提出は、目的の法務局の窓口に提出するほか、郵送によっても提出することができます。

法定相続情報証明制度を利用するためには、最初に法務局に上記のような必要書類を提出し、内容が正確かどうかなどについて審査を受けることになります。
内容に問題がなければ、戸籍等は申出人に返却されることになります。

戸籍等の返却に関しても郵送が認められているので、もし希望する場合には申出書にその旨を記載するとよいでしょう。
なお、郵送で戸籍等の返却を求める場合には、申出書を郵送する際に、返信用の封筒と切手を同封する必要があります。

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7.法定相続情報証明の取得方法

法定相続情報証明(相続情報一覧図)は、申し出の手続きが完了した際、必要枚数発行してもらうことができます。
申出書には発行を希望する一覧図の枚数を記載することになりますので、必要な数を記入してください。

5年間は再発行可能

制度上、法務局では、申し出をした相続情報が5年間保存されることになっています。
このため、申し出後5年以内であれば、法定相続情報証明は何度でも再発行してもらうことが可能です。
もちろん、再発行の手数料も無料となっています。

8.遺産相続の流れ

こちらでは、遺産相続が発生した場合に必要となる主な手続きの流れをご紹介します。

(1)役所への死亡届の提出

被相続人が死亡した場合、法律上「死亡届」を提出しなければいけません。
死亡届をする場合には、つぎのような事項に注意して下さい。

届出期間

被相続人が死亡した場合、死亡を知った日から7日以内に死亡届を提出しなければいけません。
なお、国外で死亡した場合には、届け出期間は3か月以内となります(戸籍法86条)。

届出の義務者

被相続人が死亡した場合、その人と一定の関係にある人には死亡届をする法律上の義務が課せられています(戸籍法87条)。
具体的な届出義務者は、つぎのように定められています。

  • ① 親族
  • ② 同居者
  • ③ 家主、地主、家屋や土地の管理人
  • ④ 後見人、保佐人、補助人、任意後見人など

届出先の役所

届け出先の役所は、被相続人の死亡地・本籍所在地・届出人の住所地など、届出人に都合のよい役所を選択することが可能です。

添付書類

死亡届には、「死亡診断書」または「死体検案書」のどちらかを添付することになります。

(2)火葬(埋葬)許可証の発行を受ける

死亡届が受理されると、火葬許可証または埋葬許可証が発行されます。
この許可証は、遺体を火葬または埋葬する際に必要となりますので、大切に保管してください。

(3)お通夜・葬儀を行う

死亡届を提出し火葬(埋葬)許可証の交付を受けたら、お通夜や葬儀などに必要な手続きをすることになります。
親族や葬儀業者へ連絡し、冷静に手続きを行ってください。

(4)遺言書を確認する

被相続人には、自分の死後において遺産(相続財産)をどのようにしたいかなどについて遺言することが認められています。
相続開始後、相続人としては、まず遺言書の有無を確認すべきです。

遺言には基本的に「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」「公正証書遺言」の3種類がありますが、遺言書の作成方式が「自筆証書遺言」と「秘密証書遺言」の場合には、家庭裁判所で検認の手続きを受ける必要があります。

また、遺言書によって認知、相続人の廃除などがなされている場合には遺言執行者の選任が必要となります。

遺言の内容に相続分の指定がある場合、各相続人は基本的にその指定に従うことになりますので、遺言内容の確認は非常に大切な行為となります。

(5)相続財産の調査

法律上、相続人は被相続人が生前持っていた財産のすべてを受け継ぐことになります。
相続によって受け継がれることになる財産のことを「相続財産」または「遺産」などと呼びますが、これは現金・預貯金・不動産などのプラスの財産ばかりとは限りません。

借金や債務など、マイナスの財産も相続の対象となるのです。
相続財産の中にマイナスの財産が含まれている場合、相続することによってかえって損をする可能性もあります。
世間では「相続する」というと、棚ぼた的に財産が転がり込んでくるというようなイメージが一般的だと思いますが、相続することによって逆に大きな損害を受けてしまう可能性も十分あるのです。

そのようなことにならないようにするには、相続が発生した場合、相続財産の内容について慎重に調査する必要があります。

(6)相続するかどうか判断する

相続財産を調査した結果、相続することで損害を受ける可能性がある場合には、相続の放棄または相続の「限定承認」を行うとよいでしょう。

たとえば、相続財産の中に借金などマイナスの財産があり、ほかのプラスの財産である現預金や不動産などと差し引いた場合、マイナスになることが確実なときには相続の放棄を検討したほうがよいでしょう。

マイナスの財産があるかどうかわからない場合、またはマイナス財産が有ってもプラスの財産と差し引きしてプラスになるかマイナスになるかわからない場合には、とりあえず限定承認しておくという方法もあります。

(7)相続人の調査

相続人が複数いる場合、相続財産は各相続人の法定相続分によって共有されるのが法律上の原則です。
法定相続分は、相続人の順位ごとに民法によって定められています。

今回の相続において、実際に誰が相続人となるかを確定するためには、被相続人の出生から死亡に至るまでの連続した戸籍を調査する必要があります。
調査の結果、相続人が確定した場合には、必要に応じて遺産分割協議を行う必要があります。

(8)遺産分割協議を行う

法律上の相続人および相続財産が判明した場合、なるべく早い段階で遺産分割協議を行うことが大切です。
面倒だからと放置してしまうと、ついつい長期間相続問題が未解決になり、結果として当事者間の権利関係が非常に複雑化してしまう原因となってしまいます。

遺産分割協議には、相続人や包括受遺者など全員が参加する必要があります。
法律上、遺産分割協議に参加すべき人が1人でも欠けた場合、分割協議全体が無効となってしまいます。
そのため協議を行う際には、相続人や包括受遺者など全員が参加しているかどうかを、慎重に確認する必要があります。

遺産分割協議が成立した場合には、のちのトラブルを避けるため遺産分割協議書の作成をしておきましょう。

参考:「上手に作る5つのポイント!遺産分割協議書の書き方を解説」

(9)相続登記の実行

相続財産の中に不動産が含まれている場合、遺産分割協議後には不動産に関して相続登記を行う必要があります。
ただし、相続登記は現時点では法律上の義務とはされていないので注意が必要です。

相続登記は法律上の義務ではありませんが、親族間による後のトラブルを防止するためにも、ぜひ実行しておくことをおすすめします。

(10)その後の手続き

相続財産が一定以上の金額に及ぶ場合、相続税の支払い義務が発生することがあります。
相続税が発生する場合、その支払い期限は相続開始を知った時から10か月以内とされています。

10か月以内に申告をし、相続税を支払わない場合、延滞税がかかるなど面倒が増えることになりますので期限内に手続きをするようにしてください。

その他必要な手続きに関しては、適宜行うようにしてください。

参考:「相続税はいくらから発生?基礎控除を理解するたった1つのポイント」

9.まとめ

今回は、「法定相続情報証明制度」についてご紹介させていただきました。

相続手続きは、意外と面倒なものです。
しかし、法定相続情報証明制度を利用することによって、各種の手間を省略することが可能になります。
相続の手続きでお悩みの場合には、制度の利用を検討されてはいかがでしょうか?

なお、近年では法律が大幅に改正され、相続に関する従来のルールが大きく変わってきています。
このため、以前の知識がまったく役に立たなくなっている可能性も否定できません。
最新の法的知識に基づき、効率よく相続問題を解決していくためには法律の専門家の協力を受けることが必要なこともあります。

慣れない人にとって、相続登記など相続に関する諸手続きは面倒で気の重い手続きですが、専門家に依頼することで精神的な負担を軽減することが可能です。
もし、相続に関する問題でお悩みの場合には、当事務所へご相談ください。

当事務所では、日本全国どこからでも24時間相談を受け付けております。
相談だけであれば何度でも無料ですので、ぜひお気軽にどうぞ。

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