モラハラ(モラルハラスメント)についての明確な定義はありませんが、一般的には、「言葉や態度によって精神的に人に損害を与える」行為を、総称してモラハラと表現しています。

明確な定義がない上に、体への暴力などがないため、被害を受けても被害者自身が気がつきにくいところが特徴です。しかしモラハラは離婚原因として見過ごせないほど多くなっており、司法統計データによれば、男女ともに「精神的な虐待」は離婚原因の3位以内にランクインしています。

今回は、夫がモラハラをしている場合に限定し、夫によるモラハラを受けてしまったときに妻はどのように対応をすれば良いのか、離婚を決意したときにはどのような順序で離婚が進んでいくのかなどを解説します。

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この記事の目次

こんな言動があれば、夫からモラハラされているかも

日本では、まだまだ女性が男性を立てて一歩下がるということが美徳だと考えられています。そのため、夫婦間の関係が対等ではなくて、男性の方が決定権を持っていたり、支配的だったりする夫婦も少なくありません。

そうすると、夫から高圧的な言動を受けたとしてもなかなかモラハラとの区別がつかないこともしばしばです。もしも夫から以下のような言動を受けていれば、モラハラに当たる可能性が高いという特徴をご紹介します。

モラハラ夫の特徴
  • 結婚前は優しかったのに、手のひらを返したように態度が高圧的になった
  • 些細な間違いも認めず、むしろ妻のせいにして責めてくる
  • 異常なほどに束縛する・行動を監視してくる
  • 自分以外には人当たりが良く優しいなど、二面性が激しい
  • 感情的になると物に当たったり、大声で恫喝したりする
  • 感情や態度がコロコロ変わる
  • 自分を正当化し、他人の意見を受け入れない

また、じつはモラハラをする夫と、モラハラをする妻とではその特徴が非常に多く類似しています。

ですので、モラハラ妻の特徴の多くは、夫のケースにも当てはまると考えていいでしょう。そのため、以下の記事も一緒に目を通しておくことをオススメします。

心の病とも言われるモラハラ。夫はなぜモラハラするのか

モラハラ夫の特徴として多いのが、「付き合っている時は優しかったのに、結婚したあとで態度が変わった」というケースです。

そもそも、なぜ夫はモラハラをするようになってしまったのでしょうか。明確な原因を突き止めることはとても難しいところですが、原因として考えられる要因はいくつかあります。

人間関係を上限関係で考えている

日本には古くから男尊女卑の価値観が根付いていましたが、人間関係を上下で見る傾向がある男性は、女性の地位を男性よりも下に設定し、女性に対して高圧的な言動をするようになることがあります。

家庭を支えなければという思いが空回り

「結婚したら男が家庭を支えなければならない」「男は外で働き、女は家庭を守る」といった価値観に縛られている男性も、一歩間違えるとモラハラの加害者になりやすいといえます。

特に責任感の強い男性は、「自分が家庭を支えなければ」「大黒柱としてしっかりしなければ」という責任感が裏目に出て、「俺は頑張ってるのに、おまえは妻のくせにこんなこともできないのか」「俺が養ってやってるんだからおとなしくいうことを聞け」という言動に至ってしまうケースが散見されます。

もちろん、責任感の強い全ての男性がモラハラ行動に移るわけではありませんが、こういった傾向が強いという特徴はあるようです。

共感力が欠如している

男性は女性に比べて、過程よりも結果を重視するため、女性に比べて共感力に乏しいといわれていますが、この共感力の欠如がモラハラを生み出している場合があります。

「いなくなれ」「黙れ」というような強い否定的な言葉を投げかけられた相手がどれだけ傷つくかが理解できないために、次々に人格否定となる言動を重ねてしまうケースです。

自己愛性パーソナリティ障害

モラハラは心の病気とも言われますが、親和性が強いとされているのが「自己愛性パーソナリティ障害」です。ありのままの自分を愛せず、自分は人よりも優れていると示すことによって自分を守る特徴があります。

「自分の方が相手よりも優れている」という意識がモラハラに繋がりますが、その前提として、「自分は存在価値がない」「自分は人よりも劣っている」という自己肯定感の欠如があるのです。自己愛性パーソナリティ障害も、傲慢さや支配力を誇示することで、自分を防衛していると考えられています。

アダルトチルドレン

アダルトチルドレンとは、子供の頃に家庭内で何らかのトラウマを経験し、それが解消されずに大人になった人のことを指すとされています。

小さい頃に自分も両親などからモラハラを受けていた、両親の仲が険悪で自分は構われず、両親がケンカばかりしていた、両親に愛されずに育ったなどの幼少期の影響が、モラハラを生んでいる可能性も指摘されています。

仕事などでストレスを抱えている

現時点でストレスを抱えており、そのためにイライラして妻に八つ当たりしている可能性もあります。

例えば、疲れてイライラしているところに「たまには子供の面倒も見てよ」と言われ、カッとなって「誰の金で生活できていると思ってるんだ」と怒鳴ってしまうようなケースです。この場合は、他の要因に比べればまだモラハラを改善できる余地があります。

モラハラ被害に遭いやすい人とは

夫がモラハラ夫になってしまう理由について解説しました。モラハラをする夫に非があることは間違いありませんが、妻の言動が夫のモラハラ行動を助長している可能性もあります。

もしも以下のような特徴にご自分が当てはまるようなら、意識して改善してみるのも1つの対策となるかもしれません。

夫に従順で、優柔不断で自分で決断ができない

夫のいうことはなんでも聞いてしまうタイプは、モラハラ被害に遭いやすいといえます。どのような要求をしても妻がそれを受け入れてくれるため、夫がどんどん甘えて増長していき、妻に対して暴言を吐き、歯止めがきかずにどんどんそれがエスカレートしていく状態です。

また、重要な決断を夫や両親、家族任せにし、自分でなかなか決断ができない妻も、モラハラに遭いやすいタイプです。

頑張り屋で我慢強い

多少辛いことがあっても我慢してしまうタイプもモラハラの被害に遭いやすいと言えます。確率として遭いやすいというよりも、モラハラを受けたとしても限界まで我慢してしまうため、被害が重度になりやすいといえるでしょう。

一般的に、頑張り屋で我慢強い女性は、夫がモラハラをしていることに対しても「自分の努力が足りないだけだ、もっと頑張れば夫もこんなことを言わなくなるかもしれない」といってさらに我慢したり、「ここまで言われるのは自分に非があるからだ」と、自分に責任転嫁したりしてしまいます。早い段階でモラハラの被害に気づくことがカギになります。

情に厚く、見限ることがなかなかできない

夫のことをモラハラ夫だと見抜いていても、なかなか離婚に踏み切ることができない人もいます。「こんなダメな夫は、自分が見限ってしまったら一人孤独になってしまうのではないか」など、最後の最後で別離に踏み出すことができないのです。

モラハラ夫は変わる?

最初は優しかった夫。今でも、自分以外の家族や友人には「優しくて頼りになる」と思われている。自分に対してだけひどい態度を取っているのなら、なんとかすれば夫はモラハラを止めるのではないだろうか?

そう期待してしまう気持ちは痛いほど分かります。モラハラ夫は変わるのでしょうか?

自分がモラハラをしていることを自覚していないことが多い

モラハラの加害者は、自分がどれくらいひどいことをしているのかを自覚していないことが多いといいます。それは裏を返せば、自分がしていることがモラハラだと自覚したときに「なんてひどいことをしていたんだ」と反省し、改善する余地があるということにもなります。

実際に、自覚してモラハラ行為を止めるケースはあります。

自分の行動が正しいと思っている場合は難しい

ただ、自分の行動が絶対的に正しいと譲らない場合は、モラハラ夫が変わることは期待できないでしょう。言動がモラハラだと妻が指摘しても、「またこいつはバカなことを言い出した」といって相手にしないだけでなく、激怒して暴言を吐いたり、物に当たって物を壊したりという行動に出ることも考えられます。

モラハラ夫が「自分が絶対的に正しい」と思い込んでいる場合、話し合いそのものが困難になってしまっています。

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モラハラ夫から身を守るための対策とは

夫が自分に対してモラハラをしていることがわかったとき、妻としてはこれ以上被害を受けないためにどうすれば良いのでしょうか?

夫よりも立場が上の人を交えて話しあう

男性は女性に比べて、上下関係に縛られやすい傾向があります。特にサラリーマンの場合は会社の中で上司と部下という明確な上下関係がありますし、家庭においても、親子、兄弟といった上下関係を意識している男性も少なくありません。

モラハラ夫への対策として、夫よりも立場が上で、夫が素直に意見を受け入れる人を交えて話し合うという対策が考えられます。単に立場が上なだけの第三者を交えても、夫はますます頑なになってしまう恐れがありますので、夫と第三者との関係も考慮に入れた上で人選するといいでしょう。

難しいのが、妻の両親、妻側の親族を立ち会いに入れるケースです。モラハラ夫の多くは外面がよいため、妻の親族や両親に対しても友好的な態度を保つ可能性はありますが、話し合いが円滑に進むかどうかとは別の話です。

その場は丸く収まったのに、妻と2人きりになったとたんに「さすがおまえの親だな」などと、両親をおとしめるような言動をしてくる可能性もあります。

感情的に反応しない

モラハラ夫への対策の1つとして、夫の言動に感情的に反応しないことも有効です。モラハラ夫は、自分の言動によって妻が泣いたり、反省したり、謝ってきたりと、感情的に反応することを当然だと考えています。

自分の言動が絶対的に正しく、悪いのは妻だと思っているからです。むしろ、妻を指導している、自分が妻を良い方向に矯正していると思っていることも。また、イライラして妻をサンドバッグのように見立てて八つ当たりをしている可能性もあります。

こういったモラハラ夫の言動にいちいち感情的に対応していては、妻の身が持ちません。相手に共感し、受け入れようとする姿勢は人として素晴らしい素養ですが、モラハラ夫に対しても普通の人と同じように対応していては、妻が受ける精神的ダメージは計り知れません。

とはいえ、モラハラ夫の言動を無視するとさらにモラハラがエスカレートしてしまう恐れもあります。できるだけ感情的にならず、自分がダメージをうけないように淡々と対応しましょう。

辛いときはカウンセリングなど適切な治療を

夫婦として一緒に生きていこうと決めた相手から、人格を否定されたり、感情的に怒鳴られたりする経験はとても辛いものです。DVのように目に見える暴力がない分、被害を受けている妻も被害について自覚がないことも少なくありません。

ですが、モラハラによって確実に自分の中にダメージは蓄積されています。「何を食べても味がしない」「悲しいことはないのに涙が止まらない」「夫が帰ってくる時間になると動機が激しくなる」「とにかく何もしたくない、1人の時は眠ってばかりいる」など、これまでと明らかに違う症状が出てきた場合は、原因がはっきり分からなくてもカウンセリングや心療内科を受診するなど、外部のサポートを受けるようにしてください。

モラハラ夫と離婚するための準備や心構え

モラハラ夫に対して、できることは全てやった。でもどうしてもモラハラが止まない。このままでは自分が壊れてしまう…我慢と努力は似ているようで違います。自分が壊れてしまう前に、「離婚」を決意することもあるでしょう。

ただ「離婚」といっても、具体的にどうすれば良いかわからないままで動けない人も多いのではないでしょうか。ここではモラハラ夫と離婚するための準備や心構えについてご紹介しましょう。

まずは経済的に自立を模索する

モラハラに限らず、離婚の大きなハードルになるのが経済的な問題です。世帯の生計を男性が担っていて、妻である女性はパートや専業主婦で無職だという場合、まずは自活してやっていけるよう、経済的に自立をする必要があります。

特に子供が小さい場合には、なかなかフルタイムで働くことは難しいかも知れません。まずは、離婚した後で1ヶ月問題なく生活していくためにはどれくらいの生活費が必要となるのかを調べましょう。

子供がいる場合には、将来的な学費などについても、概算を出しておきましょう。

夫と話し合いができると期待しない

離婚したいのに相手が同意していない、というとき、思い浮かぶのが裁判かもしれません。裁判は最終的な手段であり、その前段階として、離婚協議、離婚調停というプロセスがあります。特に日本では「調停前置主義」という考え方があり、裁判を起こす前にはまず調停をしておかなければなりません。

簡単に説明すると、協議離婚とは、当事者である夫婦が話し合って離婚をすること。調停離婚は、当事者以外に調停委員や裁判官が加わって話し合いをすることです。できれば当事者だけで話し合って離婚の同意が取れれば楽ですよね。

ですが、モラハラ夫の場合は話し合いができるとはあまり期待しない方が良いでしょう。むしろ、直接話し合うことを避けた方が良いくらいです。それはなぜかというと、モラハラ夫の多くが「自分が正しく、妻が間違っている」と思っていたり、妻の判断能力は自分よりも劣っていると思っているからです。

話し合いをしようとしても、さらに人格を否定するような言動をぶつけてくる可能性の方が高いと考えておいて良いでしょう。妻側としては、ただでさえ日常的にモラハラの被害を受けて参っているところに、さらに離婚のために動かなければなりません。

精神的にも不安定になっているところに、「おまえの考えは間違っている」「だからダメなんだ」「どうせ生きていけるわけがない」などという言葉をぶつけられてしまっては、「夫の言う通りなのかも」と不安を増幅させられてしまいます。

話し合いが決裂することを見越して、客観的な証拠を集めておく

モラハラ夫の多くが、離婚を断固拒否してきます。中には「親権が取れないなら離婚しない」「離婚には同意するが子供は置いていけ」など、妻の弱みを握って条件を出してくることもあります。

モラハラ夫の特徴として、妻を支配し、異常に執着するという性質が見られるため、自分から離れていこうとする妻に執着するのです。そのため、離婚の話し合いがこじれてしまい、裁判まで進む可能性があることは覚悟しておく必要があります。

裁判まで進んでしまったら、離婚を判断するのは裁判所になります。訴訟のところでも詳しく説明していますが、訴訟になってしまったら、とにかく客観的に「モラハラがひどく、結婚生活を維持できない」ということを証明していかなければなりません。

そのため、離婚を視野にいれたらできるだけ早い段階から、客観的にモラハラを証明できる証拠を集め始めましょう。例えば、以下のようなものが証拠として役立ちます。

モラハラの証拠になり得るもの
  • モラハラ発言を録音したもの
  • 第三者にモラハラについて相談したときの履歴(メールや録音など)
  • モラハラの被害について書かれた日記やメモ
  • カウンセリングや病院に行ったときは、その診断書

別居する

夫のモラハラが止みそうにないのであれば、別居や離婚も視野に入れて自分を守る必要があります。

別居を試みるときには、正攻法で「別居したいと思っている」と伝えることは、あまり得策ではありません。妻がそこまで思い詰めていたことを知り、反省して態度を改善できるモラハラ夫もいるかもしれませんが、多くの場合はコミュニケーションが取れずに、逆効果になってしまうからです。

モラハラがひどい夫との別居は、水面下で準備を進め、準備が整ってから行動に移しましょう。この段階で離婚まで検討しているのであれば、弁護士に相談することをお勧めします。

また、別居中でも生活費を夫に請求することもできます。夫が生活費を渡さないときには、「婚姻費用の分担請求調停」という調停を起こすことができます。

子供がいるときはまず弁護士に相談を

子供がいて、モラハラ夫のもとには置いておけない、一緒に暮らしたいというときには、可能な限り別居のタイミングで子供も連れて行きたいものです。

経済的に子供を養えるかどうか不安だからなどの理由で、子供を置いて自分だけ家を出てしまうケースもあります。しかし、モラハラ夫がそれを逆手に取り、「離婚しても子供は渡さない」と言ってきたり、子供に「お母さんは浮気をして、家庭を捨てて出て行ったんだよ」などと嘘を吹き込まれるなどする可能性があります。

また、子供を置いて別居をしてしまうと、離婚調停や離婚訴訟のときに不利になる可能性もあります。離婚後も子供と一緒に暮らしていきたいと考えているのであれば、別居前に弁護士に相談し、慎重に進めて行くことをお勧めします。

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離婚調停で注意しておきたいこと

モラハラ夫との離婚において、協議離婚で解決できる可能性は基本的にありません。そのため、多くのケースで調停離婚に進むことになります。調停離婚で妻が注意しておきたいことについてまとめました。

夫婦げんかだと思われないよう、客観的に被害を主張する

離婚調停のときには、調停委員という人が関わってきます。この調停委員は一般人の中から選ばれるため、モラハラに対する理解にも差があります。そのため、「夫がこんなにひどいことを言ってくる」「夫がモラハラをしてくる」と感情的に主張するだけでは、「単なる夫婦げんかなのではないか」と思われてしまうことも。

そこで、自分がモラハラの被害を受けており、離婚を考えるほどに深刻な状況にあるということを客観的に説明する必要があります。

夫が調停に現れないことも

話し合いはできても条件面で決裂しているような場合はまだしも、モラハラ夫とまったくコミュニケーションが取れずに調停をするようなときには、夫が調停に参加しないことも少なくありません。

そもそも妻のことを対等に見ていないので、妻がどんな思いで離婚を切り出しているのかを受け止めることができないのです。また、調停の場に出席すれば、妻がモラハラの被害について訴えるのを第三者の前で聞かなければなりません。

現実に起きている「妻が自分と離婚しようとしている」という現実を受け止めることができない男性も多く、現実から逃げるという意味でも調停に参加しないケースがあります。

夫が調停に出席しないとき、5万円以下の過料になるなどの罰則は設けられてはいますが、なかなか出席を強制するのは難しいところです。モラハラ夫の場合は調停にこないという可能性も認識しておき、やはり訴訟まで視野に入れて対策を立てることが得策だといえます。

夫が調停委員を味方につけることがある

モラハラ夫の特徴として、妻以外には極めていい人間を演じるという二面性を持つ場合があります。それは調停委員や裁判官に対しても同じで、「妻がご迷惑をかけてすみません」とか、「妻がちょっと疲れているようで、なかなかフォローしてあげられない自分が悪いんです」というように、一見非を認めるそぶりを見せることも。

しかし、要するにそれは「妻がおかしなことを言っていてすみません」という常識的な夫を演じようとしているだけのこと。モラハラが解決するわけではありません。また、良識的な夫を演じることにより、調停委員を味方につけて「奥さんも、もう少しゆっくり考えて見たら?」という言葉を調停委員から引き出してくる可能性もあります。

調停委員の説得に応じる必要はない

夫が調停委員や裁判官に対して好印象を与え、調停委員が夫側についてしまったとしたら、「もう誰も私のことをわかってくれない」と絶望的な気持ちになるかもしれません。ここで押さえておいていただきたいのは、「調停委員や裁判官から『離婚を考え直したら?』と言われたとしても、それに従う必要はない」ということです。

調停はあくまで、話し合いで解決を模索する場です。もし自分が納得できない結末に持っていかれそうになっているのなら、同意せずに調停不調で終わらせることができます。その場合は、離婚訴訟(裁判)に進むことになります。

調停の段階から弁護士を入れておきたい

調停が不調に終わって裁判に移行するとき、調停で話し合われたことは裁判でも資料として使われることになります。また、調停を担当した裁判官が訴訟でも担当することが多いため、仮に調停時に「ご主人の方が良識がある」と裁判官が印象を抱いていたり、「離婚という結論はふさわしくないのではないか」と感じていたりすると、その後の訴訟でも妻のほうが不利になってしまいかねません。

また、訴訟となると費用もかかりますので、できれば調停の段階で離婚を勝ち取りたいところですよね。そうなると、調停の段階で弁護士に相談する、または弁護士に依頼するなど、弁護士を味方につけておいた方が得策です。

一般的にも、訴訟よりも調停のほうが弁護士費用は安く済みます。弁護士側としても、調停から関わることで戦略的に離婚へ向けて進むことができますので、ここはしっかり考えておきたいところです。

調停では解決しなければ、離婚訴訟へ

調停が不調に終わったら訴訟に移ります。訴訟についての基礎知識や、弁護士費用などを押さえておきましょう。

離婚訴訟で離婚が認められるための要件

話し合いで離婚を進めるときには、お互いに合意さえあれば離婚の条件などは特にありません。ですが、裁判で離婚をする場合、離婚が妥当な決断かどうかを判断するのは裁判所です。

そのため、裁判では、法律で決められている離婚原因が存在するかどうかが判断基準になります。

裁判上の離婚原因(民法770条)

1.夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

このうち、モラハラは5号の「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。」に該当すれば、離婚原因として認められることになります。訴訟では、妻がこれまでに受けてきた数々のモラハラ被害が客観的に見て「婚姻を継続し難い重大な事由」と言えるのかどうかがカギとなるのです。

訴訟費用や弁護士費用の相場は?

訴訟を起こすときに一番ネックになるのが、弁護士費用ではないでしょうか。弁護士の報酬は自由化されているため、はっきり言ってしまえば、「訴訟費用は弁護士によって違う」というのが答えになります。

ただ、多くの弁護士は、昔使われていた報酬基準をベースにしています。報酬基準がひとつの相場とも言えますので、まずはこちらを押さえておきましょう。ちなみに報酬基準によると、民事事件は以下のようになっています。

モラハラを原因とした慰謝料は請求できる?相場は?

モラハラ被害を受けたことで、妻が精神的苦痛を受けたとして慰謝料を請求することはできるのでしょうか?

慰謝料を請求できるかどうかでいえば、請求することは可能です。過去にも、モラハラを理由として慰謝料の支払を認めた裁判もあります。慰謝料の相場は状況によって変動しますが、数十万円〜200、300万円が相場とされています。

慰謝料の算定には、妻がどれくらいの長い間モラハラ被害を受けていたのか、精神的にどれくらいの被害が出ているのか(精神疾患で病院に通っている、精神疾患によって日常生活を円滑に送ることができなくなっているなど)、客観的に見て、夫の言動がどれくらいひどいものなのか(毎日2時間以上説教して反省文を書かせていた、束縛が激しく、妻を自由に外出させなかったなど)などが判断材料として使われ、状況によっても変わってきます。

まとめ

モラハラ夫の被害に遭っているとき、自分の身を守るためにどんな対策を取れば良いのか、離婚を決めたときにどう進めて行けばいいのかなどについてご紹介しました。

モラハラは、気がつかないうちにあなたの精神を病んでいきます。辛いときは1人で我慢せず、カウンセリングなども利用しながら、モラハラ夫との離婚を進めていきましょう。

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