2005年の4月から全面施行された個人情報保護法案により、個人情報取扱事業者は、原則として、保有する個人情報を第三者に提供する為には、本人の同意を得る事が必要となりました。
携帯電話会社も個人情報取扱事業者として、この規定に従わなければなりません。

しかし、携帯電話番号しかトラブルの相手方に知られていないにもかかわらず、相手方が、自宅や勤務先への電話や訪問をしてきて困っているといった弁護士事務所への相談が後を絶ちません。

では、いったいなぜ、携帯番号しか知られていないのに、トラブルの相手は住所がわかったのか、携帯番号からどこまで個人特定をすることが可能なのかをわかりやすく詳細に解説していきます。※なお、当法律事務所では、探偵社も運営しておりますので、実体験に基づくリアルなお話ができると思います。

携帯電話番号から個人特定ができる理由

われわれ弁護士が携帯番号から個人特定することは簡単です。

例えば、依頼人が、携帯番号しか知らない相手から脅迫被害を受けている場合では、弁護士は弁護士会を通じて携帯会社(docomo,auなど)に契約者情報の照会をかけます。そうすることにより、携帯番号の契約者の氏名と住所が開示され知ることができるのです(ただし、softbankについては照会に応じないこともあります)。

なぜ弁護士はこのようなことが行えるのか。ここでは詳細は省きますが、弁護士法23条の2に基づく、弁護士会照会制度で情報開示を求める権限が与えられているためです。

では、弁護士ではない者が、いったいどのような方法で、携帯番号から住所や氏名といった個人を特定する情報を調べることができるのでしょうか。

じつは世間ではあまり知られていないことですが、探偵事務所や興信所が、”データ調査”という名で、携帯番号から氏名と住所を割り出す依頼を受けています。実際に、以下のリンクをクリックすると、データ調査を行っている探偵社が数多く存在することがわかっていただけると思います。

クリックすると検索結果画面が開きます

ここでは敢えて紹介しませんが、安いところでは、25000円程度でこの調査を行っています。

では、探偵や興信所はなぜ携帯番号から住所と氏名といった個人特定ができる情報を調べることができるのでしょうか。それを解説していきます。

なぜ、探偵事務所は、携帯番号から個人特定ができるのか

じつは、ほとんどのケースにおいて、探偵事務所は自分達で情報を調査することはありません。”データ屋”、”情報屋”と呼ばれる情報販売業者から購入した個人情報を転売しているに過ぎないのです。

流れとしては、一般のお客さんから依頼を受けた探偵社が情報屋に調査を依頼し、情報屋が携帯番号から判明した氏名と住所の情報を探偵社に伝えます。探偵社は情報屋に報酬を支払いますが、その報酬額に自分達の利益を上乗せした料金を依頼者から受け取るのです。

このように、データ調査に関して言えば、探偵は単なる情報転売ビジネスをしていることになりますが、探偵が直接調べることもあります。

その方法としては、調査対象の電話番号に直接電話して個人情報を聞き出す手法(業界では”電調(電話調査の略)”といいます)をとっています。具体的には、以下のようなトークがよく遣われています。

「(雨の日に電話して)配達中の郵便局の者ですが、伝票が雨で濡れてしまって、こちらの連絡先携帯番号しかわからないものでお電話させていただきました。大変ご迷惑おかけして申し訳ございません。ポストに入る大きさの物ですので今すぐお伺いします。お名前とご住所を教えていただけないでしょうか?」

「(携帯会社名)のご利用料金管理センターのものですが、先月分のご利用料金をこちらのミスで余計にいただいてしまっておりました。大変ご迷惑おかけして申し訳ございません。つきましては、ご返金させていただきたいのですが、ご本人確認のために氏名・住所・生年月日を西暦でお答えいただけますでしょうか(相手の様子を伺って銀行口座情報を聞き出すことも)」

こんな稚拙な質問で本当に回答する人がいるのか?と思われるかもしれませんが、実際に少なからずいます

しかしこの方法だと確実性は一切なく、実際に郵便物が届くことはない、料金が返金されることはないわけですから、後になって個人情報を調査されていたことに気づかれる可能性は高いでしょう。情報屋に払う原価すらケチって自分達の利益にしようという探偵社が使う手法です。この手法で情報を掴めなかった時に初めて情報屋に依頼するという2段構えが一般的です。

ではそもそも、情報屋は、携帯番号の契約者情報をどのようにして入手しているのでしょうか。

情報屋が携帯番号から個人情報を調べる方法

これはいたってシンプルな方法です。各携帯会社の社員と結託して情報を入手しているだけです。

個人情報保護がこれだけ叫ばれている時代にそんなことが有り得るのか?と思われる方がいるかもしれませんが、探偵が今現在も携帯番号から個人を特定する依頼を受けている実態を見れば否定はできないでしょう。いつの時代にも小遣い欲しさに社内から情報流出させる社員がいるものです。

なお、情報屋の中には、こういったスパイ社員から情報を得る方法ではなく、先述した電調の方法を用いたり、大手企業などから流出した顧客情報リストと照合して情報を卸すようなところもあります。2014年に最大2070万件の個人情報が流出した、ベネッセ顧客情報流出事件は記憶に新しいことでしょう。

しかし、先述の通り、電調では判明率は低く、流出リストの情報については”今現在の情報”ではありません。流出情報が古いものであれば、過去の契約者情報である可能性もありますので、こういった粗悪な情報販売する情報屋は探偵社も使わなくなり淘汰されていきます。

なお、探偵社が情報屋を介して携帯番号調査をする理由は2つあります。

一つは、探偵社各社が、各携帯会社のスパイ社員とつながりを持つことは困難だからです。携帯各社も顧客情報の流出には神経を尖らせていますので、そういった情報にアクセスできる立場にあるのは社員の中でも限られた立場にある者でしょう。そういった者を探し出して協力者として引き込むのはそう易々とできるものではありません。

もう一つは、依頼者が、知り得た氏名と住所を悪用して警察に逮捕された場合、警察は情報を販売した探偵社にどうやって調べたのかを聞きに来ます。その際に、”あくまでも転売しているだけで入手経路は分からない”(つまりは違法に入手しているとは知らない)という言い逃れができるためです。

携帯電話番号からわかること

携帯電話番号から、氏名と住所が判明することは既に説明しましたが、実はそれ以上の情報を調べることも可能です。

まず、次のキーワードでネット検索してみましょう。

クリックすると検索結果画面が開きます

携帯番号から判明した、氏名と住所から生年月日を調査することが可能なのがわかっていただけたと思います。

これで、氏名・住所・生年月日・電話番号の4つの情報が手元に揃いました。ここまで来るとありとあらゆる個人情報を調べることが可能です。例えば、次の検索キーワードでネット検索してみましょう。

このように、氏名と住所と生年月日がわかると、どこの銀行のどの支店に口座を所有していて残高が幾らあるのか、勤務先や実家の住所はどこなのか、サラ金からの借り入れはあるのか(過去にあったのか・金融ブラックでないか)などが簡単に判明してしまいます。

その他、所有車両(ナンバーもわかります)、所有不動産や証券、学歴や職歴、婚姻歴、離婚歴、家族構成、通院病院名(現在及び過去)、郵便物の転送先住所、公共料金の未納履歴等々も判明可能です。

もちろん調査するには費用がかかりますが、少なくとも、携帯電話番号から氏名と住所を調べるのは25000円~と比較的安価に調べることができますので、このデータ調査を利用する人は少なくはありません。

このように携帯番号一つから様々な個人情報が判明してしまうことはご理解頂けたと思います。

携帯電話が普及していない頃は、典型的な美人局のように、ラブホテルへの出入りの瞬間に夫や彼氏を名乗る男性が登場し、その場で金銭を脅し取る原始的な方法が主流でした。

しかし最近では、性行為があった日から数日~数週間後に自宅に押し掛けてきたり職場に電話をしてくる、時間差攻撃的な恐喝・脅迫行為が主流になりつつあります

そして、恐喝や脅迫を半ば生業とするような者にとって、携帯電話番号から自宅住所・氏名・勤務先等の情報を割り出す事は、当たり前の手口であり、また、必要不可欠な手段でもあるのです。

このような個人情報の流出から自分の身を守る対策として、相手方とのやり取りはメールだけにして、携帯番号を教えないようにすることや、レンタル携帯(携帯レンタル会社名義での携帯)を使用するなどの方法があります。個人情報の流出が蔓延している現代において、自分の身は自分で守るといった心構えは常に必要です。

もし、恐喝・脅迫の加害者に、携帯電話番号を知られてしまった方は、日本一気軽に相談できる当弁護士事務所にご相談下さい。
親身・誠実に対応し、家族や勤務先に知られずに早急に解決します。

また、風俗店関係者に携帯番号を知られてしまったときは、以下の記事を合わせて読むようにしてください。

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