みなさんは「破産者名簿」というものをご存知でしょうか?

これは個人の本籍地を管轄する役所に設置されているもので、ある人が自己破産した場合に「破産者」としてその名前を登録・管理している名簿のことです。

こんなことを言われると、みなさん心配されるのではないでしょうか?この名簿の記載から、「自分が破産したことを誰かに知られてしまうのでは?」そのような不安を持つのも当然です

そもそも破産者名簿とは、どのような意味で作成されるものなのか?どのような場合に名前が記録されるのか?

自己破産する以上、破産者名簿はぜひとも知っておくべき事項です。

今回は、この「破産者名簿」などについて詳しく説明します。

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「破産者名簿」とは何か?

冒頭でも述べましたが、個人の本籍地を管轄する役所には、「破産者名簿」というものが備えられています。破産した場合には、この名簿に「破産者」として名前が載ることになっているのです。この破産者名簿はその名前のとおり、破産者の名前を記録し管理するための名簿です。

このため自己破産を検討している人の中には、破産者名簿に名前が記録されることを恐れ、自己破産することをためらう方がいます。この名簿の記載から、自分が破産したことを誰かに知られてしまうのでは……と不安に思うからです。

しかし、破産者名簿に関する問題については、必要以上に心配する必要ありません。

破産者名簿に関する現在の運用では、自己破産したとしても大半の人は名簿に名前が載ることは、まずないからです。

破産者名簿の存在意義

ある種の職業に就職する場合、法律の規定などにより、破産者ではないことが就職の条件とされることがあります。大まかに言うと、他人の財産を管理する可能性のある職業の場合、このような条件が付いていることが多いようです。

つまり、破産者である場合には、これらの職業には一定期間つくことができないのです。もし、現在そのような職業についている場合には、最悪失業することになります。

自己破産すると、このように「資格制限」を受けることになりますが、この資格制限を受ける職業に就くときに破産者名簿が役に立つのです。

役所の発行する「身分証明書」について

市区町村などの役所で発行してもらえる証明書に「身分証明書」というものがあります。これは、個人に関する一定の事項を証明する公的な証明書となります。この「身分証明書」が証明する項目のひとつに、「その人が破産者であるかどうか」に関する事項があるのです。

資格制限のある職業などに就く場合には、自分が破産者ではないことを証明する必要があります。この場合、通常は役所の発行する「身分証明書」という公的証明書を提出して破産者ではないことを証明することになるのです。

破産者名簿は公的証明書作成のためにある

破産者名簿がなぜ役所に備えられているかというと、資格制限のある職業などに就くときに証明書として使用される「身分証明書」を作成するときに使用する必要があるからです。この際に破産者名簿の記載によって、「身分証明書」の請求者が破産者なのかどうかがわかるのです。

破産者名簿に名前が記録されていない場合には、「身分証明書」に「破産宣告又は破産手続開始決定について、それぞれ通知を受けていない」と記載されることになります。

つまり破産者名簿は、ある人が「破産者である」ことを証明するのではなく、「破産者ではない」ということを証明するために存在するといえます。

「破産者ではない」ことを役所に証明書として出してもらい、それを資格制限のある職業などに就くときに提出することで、自分が制限の対象ではないことが証明できることになるのです。

破産者名簿から自分が破産したことがバレる?

冒頭でも述べましたが、破産すると破産者名簿に名前が載るために、自分が破産したことが世間にバレてしまうのではないか?と心配される人がいます。

しかし、現在ではつぎのような理由により、そのような心配をする必要はほとんどありません

自己破産者の大半は破産者名簿に名前が載らない!

破産者名簿に関する以前の運用では、自己破産した場合、その多くの人が名簿に登録される扱いでした。しかし、平成17年の破産法の改正により、その運用が大きく変わったのです。

破産者名簿に関する現在の運用では、自己破産しても、その圧倒的多数の人は名前が名簿に登録されることがなくなりました。

なぜかというと、名簿に載ることになるのは、「破産開始決定から一定の期間が過ぎても免責許可決定が確定しない場合」など一定の場合に限定されているからです。

自己破産者の9割以上で免責許可が出ている

破産者名簿に名前が登録されることになるのは、破産手続きにおいて最終的に裁判所に免責許可をもらえなかったケースが大半です。

しかし裁判所における実際の運用では、自己破産を申し立てた場合、9割以上に免責許可決定が出ています。そしてこの決定は、よほど特別な事情がない限り、一定の時間の経過をもって確定することになるのです。

このため自己破産したとしても、通常の場合においては破産者名簿に名前が載ることはほとんどありません。

破産者名簿に名前が登録されるのは、破産手続きになんらかの問題があり、免責許可決定を出してもらえなかったなど特殊な事例に限定されると考えてよいでしょう。

破産者名簿に名前が載っても一般人は閲覧不可

うえの「破産者名簿は公的証明書作成のためにある」で述べたように、破産者名簿は主に、ある人が「破産者ではない」ことを証明するために存在します。

このため、この証明書を請求することができる人は基本的に本人や家族などごく限定されており、他人が閲覧や証明書の交付を請求することはできないのです。

このため、仮に破産者名簿に名前が記録されていたとしても、この記録から他人に自己破産した事実が漏れてしまう恐れはほとんどありません。

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破産者名簿に名前が記録される5つのケースとは?

上記のように、破産者名簿に名前が記載されることは例外的な事例です。それでは、どのような場合に破産者名簿に名前が載ることになるのでしょうか?

つぎの5つのケースに該当する場合、破産者名簿に破産者として名前が載ることになります。

破産者名簿に名前が載る5つのケース
  • ①破産開始決定から1か月が経過しても免責手続きが始まっていない場合
  • ②破産開始決定から1か月経過後、免責許可申請がすべて取り下げられた場合
  • ③破産開始決定から1か月経過後、免責許可申請がすべて却下された場合
  • ④免責の不許可決定が確定した場合
  • ⑤免責取り消し決定が確定した場合

これらに該当する場合、裁判所は破産者の本籍地を管轄する役所に対して破産者である旨を通知することになります。役所ではこの通知を受け、破産者名簿にその者を記録することになるのです。

破産者名簿に名前が載っても「復権」することで名前は削除される

仮に破産者名簿に名前が載ってしまったとしても、この記録は永久に残るものではありません。

法律上の一定の条件を満たし「復権」した場合には、その記録が抹消されるからです。

自己破産した記録は完全に抹消される

もし破産者名簿に名前が載ることになっても、上記のように復権することによって名簿から名前が削除されることになります。この場合、その記録は完全に抹消されることになります。このため、過去において自分が自己破産したという記録が残ることもありません

自己破産したからといって戸籍に記録されることはない!

破産者名簿に関する心配だけでなく、自己破産すると「戸籍に記録されるのでは?」、と心配される方もいらっしゃいます。しかし、これも現在では心配不要です。

たしかに以前の運用では、自己破産した場合、その旨が戸籍に記録されることになっていました。このため古い戸籍謄本などには「破産」と記載されているものを目にすることがあります。

しかし、現在の戸籍事務の運用では、破産したことは戸籍への記載事項にはなっていません。このため自己破産したとしても、現在では戸籍にその旨が記録されることがなくなったのです。

まとめ

今回は自己破産する場合に、どうしても気になる「破産者名簿」、「戸籍」への影響について説明しました。

自己破産した場合、以前の扱いでは破産者名簿に「破産者」として名前が記録されていました。しかし、現在の運用では自己破産した場合でも90%以上の人に関しては、名簿に名前が載ることはありません。自己破産した場合でも、その後に免責が出れば一度も破産者名簿に名前が記録されることはないのです。

仮に破産者名簿に名前が記録されたとしても、その閲覧や証明書の交付などは基本的には他人が請求することはできません。このため、この記録から自分が破産したという事実が世間にバレてしまうなどという恐れは、ほぼないと考えてよいのです。

また、仮に破産者名簿に名前が記録されたとしても、永久に名前が記録されたままということではありません。一定の条件を満たし、「復権」すれば名簿から記録は完全に抹消されます。そのため、過去において自分が自己破産した事実が将来にわたって残ることもないのです。

また戸籍に関しても、破産した事実が記録されることは現在ではなくなりました。

このように昔と比較すると現在では、破産することによって受けることになる不利益がどんどん少なくなってきています。

昔はこれらのことを気にするあまり、借金問題の解決に踏み切れないという事例もたくさんあったでしょう。しかし、現在はまったく状況が変わってきています。

もし借金問題に悩み、自己破産を検討しているのであれば、前向きに少しでも早く手続きをとるようにしてください

借金問題は、長引けば長引くほど解決が難しくなるものなのです。

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