出頭命令(出頭要請)とは?|無視・拒否したら?出頭後の注意点は?

警察や検察から、ある日突然「〇月〇日〇時に出頭してください」という出頭命令(出頭要請)が来ることがあります。通知を受けた側としたら、

  • 今後どうなるのか
  • 逮捕されるのか

など、不安が沸いてくるものと思います。

そこで、この記事では

  • どんな場合に逮捕されやすく、逮捕されにくいのか
  • 出頭命令(出頭要請)を無視・拒否し続けた場合逮捕されるのか
  • 出頭後する際、どのような点に留意すればよいのか

という点について弁護士が詳しく解説します。

ぜひ最後までご一読いただき、出頭の際の不安を少しでも払拭していただけると幸いです。

1.出頭命令(出頭要請)とは

一般に出頭命令(出頭要請)と呼ばれる場合、捜査機関(警察、検察)による出頭命令(出頭要請)裁判所による出頭命令(出頭要請)とに区別されます。

⑴ 捜査機関による出頭命令(出頭要請)

捜査機関による出頭命令(出頭要請)は刑事訴訟法1981項を根拠としています。同項によると、

検察官、検察事務官、警察官は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる

としています。

この「出頭を求め」という部分が出頭命令(出頭要請)にあたる部分です。もっとも、同項のただし書では「出頭を拒むことができる」としています。つまり、一般的には出頭命令(出頭要請)といわれているものの、実質は、出頭するかどうかはあなたの意思しだいであり自由ですよ、ということになります。そのため、刑事訴訟法1981項では上記の「出頭を求め」という部分に関しては出頭命令(出頭要請)ではなく出頭要求としています(この記事では捜査機関による出頭要求のことを便宜上、出頭命令(出頭要請)といいます)。なお、捜査機関による出頭命令(出頭要請)に基づいて出頭することを任意出頭といいます。強制ではない(自由意志で出頭できる)ことから「任意」というわけですね。

⑵ 裁判所による出頭命令(出頭要請)

裁判所による出頭命令(出頭要請)は、刑事訴訟法68条を根拠としています。裁判所による出頭命令(出頭要請)は起訴された被告人に対するものです。また、出頭命令(出頭要請)は被告人に対するものですから「捜査」ではなく「公判(裁判)」のためになされるものです。裁判を受けることは被告人の権利でもあり義務でもあることから、裁判所は、必要があると認めるときは出頭命令(出頭要請)を出すことができるとされています。

2.捜査機関による出頭命令(出頭要請)と逮捕

捜査機関に出頭したら逮捕されるかも・・・この不安が捜査機関に出頭するかどうか迷わせる理由の一つではないでしょうか?そこで、この項では、出頭したら逮捕されるのか、捜査機関の出頭命令(出頭要請)を無視・拒否し続けたらどうなるのか、という点について解説いたします。

⑴ 出頭したら逮捕(通報逮捕)される?

出頭したら逮捕されるかどうかはケースバイケースとしか言いようがありません。逮捕するかしないのかは最終的には捜査機関の判断に委ねられているからです。そのため、この場合は逮捕される、この場合は逮捕されない、などと断定的に申し上げることはできません。もっとも、これまでの事例からどのような事件で逮捕されやすく、どのような事件で逮捕されにくいのかということはある程度予測することができます。また、法律で逮捕してはいけないこととされている事件もあります。なお、捜査機関に出頭した後逮捕されるパターンのほか、自宅に来た警察官から任意同行を求められ逮捕されるというパターンもあります。

① 逮捕されやすい事件

以下の事件では比較的逮捕されやすいといえます。

  • 重大事件(殺人事件、放火事件、強盗事件など)
  • 共犯事件(人数の多寡にかかわらない)
  • 薬物事件(特に密売・密輸事件)
  • 組織(反社会的勢力など)で行った、組織が関与した事件
  • 否認事件(軽微な事件であるか否かにかかわらない)

② 逮捕されにくい事件

他方、以下の事件では比較的逮捕されにくいといえます。

  • 軽微かつ認め(犯罪事実を認めている)事件
  • 単独事件
  • 初めて((前科、前歴がない場合)の事件
  • 被害弁償、示談が成立していて不起訴、罰金が見込まれる事件

③ 逮捕されない事件(ただし、例外あり)

  • 一度、逮捕された事件

一度、逮捕された事件については法律上、再び逮捕されない(逮捕してはいけない)こととなっています。これを再逮捕禁止の原則といいます。もっとも、逮捕は事件単位で行われますから、逮捕が禁止されるのは、一度逮捕された事件であって、別の事件で逮捕されることは十分あり得ます。また、上記はあくまで原則であり、たとえば、釈放後に新証拠が発見され、再び逮捕しなければその証拠を隠滅されてしまうおそれがあるなど、再逮捕することに合理性があり逮捕の不当な蒸し返しといえないという場合には再逮捕が許容されることがあります。

⑵ 出頭命令(出頭要請)を無視・拒否し続けたらどうなる?

前記のとおり、捜査機関から出頭命令(出頭要請)を受けたとしても、出頭するかどうかは被疑者の自由です。したがって、出頭命令(出頭要請)を受けたとしても無視・拒否することはできます。

しかし、捜査機関の出頭命令(出頭要請)を無視・拒否し続けた場合、捜査機関はどう考えるでしょうか・・・?そう、被疑者から無視・拒否し続けられた捜査機関としては、通常、「このまま出頭命令(出頭要請)を続けても被疑者は出頭しない」「このままだともしかしたら被疑者は逃亡するかもしれないし、もう逃亡しているかもしれない」「身柄を拘束(逮捕)するしかない」と考えるでしょう。つまり、出頭命令(出頭要請)を無視・拒否し続けること自体が、逃亡のおそれ(場合によっては罪証隠滅のおそれ)がある微表だとされ、逮捕されてしまう可能性があるわけです。また、刑事訴訟法1991項には、出頭命令(出頭要請)に応じない場合に逮捕を認める規定が置かれています。

刑事訴訟法1991

(略)。ただし、30万円(略)以下の罰金、(略)に当たる罪については、被疑者が定まった住居を有しない場合又は正当な理由なく前条の規定による出頭の求めに応じない場合に限る。

この規定は逮捕できる場合を限定したものですが、読み方によっては軽微な事件ですら不出頭の場合に逮捕できるのであれば、それよりさらに重たい罪についてはさらに逮捕できる、と読めなくもありません。

3.捜査機関に出頭する際の対処法、留意点

最後に捜査機関に出頭する際の対処法、留意点について解説いたします。

⑴ 弁護士に相談、報告する

出頭する前に弁護士に相談、報告しておくと、出頭後の対処法についてアドバイスを受けることができます。また、万が一逮捕された場合でも相談、報告した弁護士との接見にスムーズに移行することができます。

⑵ 出頭しても退去できる(退去権)

出頭後どのタイミングでも理由を問わず警察署、検察庁から退去することができます。

⑶ 取調室から退室できる

また、取調室に入り、取調べを受けた後どのタイミングでも、理由を問わず取調室から退室することができます。

⑷ 話したくない場合は終始沈黙できる(黙秘権)

取調べ中、理由を問わず話したくなければ話さなくても構いません。それによって不利益に取り扱われることは、実質黙秘権を侵害しているのと同じであり許されません。

⑸ 供述調書の内容をよく確認する

取調べで話した内容は、取調官があなたに代わって供述調書という書類にまとめます。取調べの最後に供述調書の内容に間違いがないかどうか確かめる機会が設けられます。内容をよく確認しましょう。

⑹ 内容に誤りがあれば増減変更を申立てることができる(増減変更申立て権)

内容を確認して誤りがあれば「ここを付け加えてください」「ここは削除してください、このように変更してください」などと取調官に申し立てることができます。

⑺ 供述調書に無理にサインする必要はない(署名押印拒否権)

内容に間違いがある場合はもちろん、間違いがない場合でも無理に供述調書に署名・押印する必要はありません。署名・押印する場合は、その調書が捜査や裁判で使われる可能性があることを覚悟してください。

⑻ 権利を適切に行使する

以上⑵から⑺は被疑者に保障されている権利をご紹介しました。もっとも、権利が認められているからといって、やみくもに行使するとかえって受けないでよい不利益を被る結果にも繋がりかねません。罪の重さや罪に対する認否など鑑みて権利は適切に行使すべきです。

4.まとめ

捜査機関(警察、検察)から出頭要請(出頭命令)を受けても、出頭するかしないかはあなたしだいです。しかし、出頭要請(出頭命令)を無視し続けたり、正当な理由なく拒否し続けると逮捕されるおそれもあります。出頭すると逮捕されるかも、と不安になるかと思いますが、逮捕されるか否かは捜査機関の判断しだいという面が否めません。仮に、逮捕された場合にそなえて弁護士からアドバイスを受けておくことも必要です。

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