財産分与請求調停の流れや不利にならないための5つのポイントを解説

離婚後に行う財産分与の調停が「財産分与請求調停」です。この記事をご覧の方の中にも、何らかの事情で離婚を先行させ、離婚後に財産分与を行う方もおられるのではないでしょうか?

この記事では、離婚後の財産分与の調停に焦点を絞り、

  • 財産分与請求調停の申立てのために準備するもの
  • 財産分与請求調停の申立て方法
  • 財産分与請求調停の申立て後の流れ
  • 財産分与請求調停で不利にならないための5つのポイント

などについて、財産分与に詳しい弁護士が詳しく解説してまいります。

ぜひ最後までご一読いただき、財産分与請求調停を申立てる際の参考としていただけると幸いです。

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①財産分与調停は2種類~財産分与請求調停と夫婦関係調整調停(離婚)との違い

財産分与請求調停とは、「離婚後」に、家庭裁判所において財産分与について話し合う手続きです。

離婚後に裁判所の力を借りて財産分与の話し合いをしたい、という場合に利用できる手続がこの財産分与請求調停です。

なお、相手に対する財産分与請求権は離婚成立日(離婚届が受理された日)の翌日から起算して2年で消滅します。

したがって、離婚後に財産分与請求調停を希望する場合は、この2年以内に家庭裁判所に対して申し立てを行う必要があります(申し立て後に2年を経過しても財産分与請求権を行使すること(財産分与すること)は可能です)。

他方で、夫婦関係調整調停(離婚)とは、「離婚前」に、家庭裁判所において、財産分与をはじめとする離婚するにあたって決めなければならない事項(子どもの親権、養育費、子どもとの面会交流に関することなど)について話し合う手続きです。

財産分与請求調停でも夫婦関係調整調停(離婚)でも財産分与について取り決めることは可能ですが、前者は「離婚後」、後者は「離婚前」に利用できる手続きということをまず抑えておきましょう。

②財産分与の対象となる財産ならない財産

財産分与の調停(財産分与請求調停。以下、「財産分与の調停」という場合は「財産分与請求調停」のことを指しています。)について解説する前に、財産分与の対象となる主な財産についてご紹介します。

「⑥財産分与の調停で不利にならないための5つのポイント」でも解説いたしますが、財産分与の調停を有利に進めていくためには、まずは財産分与の対象となる財産、つまり「共有財産」について把握しておくことが重要です。

共有財産には夫婦共有名義の財産(不動産など)のほか、名義は夫婦の一方だけれども夫婦の協力によって築いたと認められる財産(預貯金など)も含まれます

他方で、夫婦の一方が婚姻前に取得した財産、婚姻後に取得した財産であっても親からの贈与、相続による財産などは「特有財産」と呼ばれ、財産分与の対象とはなりません。

財産分与の対象となる財産の例
  • 不動産
  • 家電、家具、骨とう品など金銭的価値の高い物
  • 預貯金
  • 各種保険の解約に伴う解約返戻金
  • 株式
  • 退職金(対象となるかどうかは、将来受け取れる蓋然性が高いかどうかによります)
  • 厚生年金(国民年金は対象外です) など
財産分与の対象とならない財産の例
  • 婚姻前に購入した車(ただし、購入時にローンを組み、婚姻後は共有財産の預金からローンが引き落とされていた場合は、引き落とされた額分は共有財産となります)。
  • 婚姻前に購入した家電、家具、金銭的価値の高い物
  • 婚姻前に築いていた預貯金
  • 親から贈与、相続した不動産、車 など

その他、気になるのが「借金」が財産分与の対象となるのかならないのかという点ではないでしょうか?この点、以下のとおり、借金の中でも財産分与の対象となるものとならないものがあります

財産分与の対象となる借金
  • 常家事債務・・・水道高熱費、家賃の滞納金 など
  • 夫婦の共同生活のために生じた債務・・・医療費、生活費を補うための借金、教育ローン など
  • 婚姻後の資産形成に関連して生じた借金・・・車、住宅ローン(※) など
    ※オーバーローンの場合は対象となりません。
財産分与の対象とならない借金
  • 個人的な遊興費、ギャンブル、趣味などで作った借金

③財産分与の調停を申し立てるために準備するもの

財産分与の調停を申し立てるために準備するものは

  • 家事調停申立書及びその写し1通
  • 各種書類(事情説明書、連絡メモ、資料非開示の申出書)
  • 各種財産目録
  • 各種添付書類
  • 申立費用

が一般的ですが、申し立ての内容などによっては追加書類の提出を求められることもあります。

家事調停申立書及びその写し1

書式は裁判所のホームページからダウンロードすることができます。

また、記載例も裁判所のホームページに掲載されています。写し1通は、相手方の住所宛に送付されます。したがって、申し立てのためには、相手方の住所を把握しておくことが必要です。

各種書類(事情説明書、連絡メモ、資料非開示の申出書)

書式は裁判所のホームページからダウンロードすることができます。

事情説明書は、相手方から申請があれば相手方に閲覧、謄写されることがありますので、そのことを前提に記載する必要があります。

住所など相手方に知られたくない情報などある場合は連絡メモ、資料非開示の申出書を使用します。

各種財産目録

土地、建物、現金・預貯金等の各種財産目録です。

申し立てをする家庭裁判所に対して、どんな共有財産を有していたのかを明らかにするための書類です。

書式は裁判所のホームページからダウンロードすることができますし、記載例も掲載されています。

添付書類

申立人、相手方の現在の戸籍を明らかにする書類として、「戸籍謄本(全部事項証明書)(離婚により夫婦の一方が除籍された記載のあるもの)」、離婚前の夫婦の財産を明らかにするための書類として「不動産登記事項証明書」、「固定資産証明書」、「預貯金通帳の写し」、「金融機関が発行する残高証明書」などがあります。

申立費用

申立てに必要な費用は、申立書に貼付する1200円分の収入印紙と連絡用の郵便切手です。

郵便切手の種類、枚数(郵便切手代)はあらかじめ申立先の家庭裁判所に確認しておきましょう。

④財産分与の調停の申立方法

③で準備した申立書等を家庭裁判所に提出します。

申立書等を提出する家庭裁判所は、

  • 相手方の住所地を管轄する家庭裁判所
  • 離婚当事者(元夫婦)が合意して定めた家庭裁判所

のいずれかです。

たとえば、東京に住む元妻(申立人)が北海道に住む元夫(相手方)に対して調停を申し立てる場合、管轄に関する双方の合意がない限り、元妻は北海道に所在する家庭裁判所に申立書等を提出しなければなりません。

しかし、これでは元妻の負担となります。

そこで、申し立てをする前に、離婚当事者双方で調停を行う家庭裁判所について話し合い、合意できた場合は合意できた家庭裁判所に管轄合意書という書類を提出することによって、合意した家庭裁判所で調停を行うことが可能となります。

⑤財産分与の調停の大まかな流れ

財産分与の調停の大まかな流れは以下のとおりです。

家庭裁判所に申立書等を提出

前述のように、家庭裁判所に申立書等を提出します。

調停の期日の通知

申立書等を提出後、家庭裁判所から相手方へ申立書の写しが送付されます。

それから2週間程度で、家庭裁判所から調停期日等が記載された書類がご自宅へ送付されます。調停期日は申し立てから約1か月後の平日、かつ裁判所の開庁時間内(8:3017:00)を指定されます。

調停期日に家庭裁判所へ出廷

指定された調停期日に家庭裁判所へ赴きます。

家庭裁判所には申立人待合室、相手方待合室が設けられ、それぞれが顔を合わせないよう配慮がなされています。

しかし、各調停期日の開始時と終了時に、離婚当事者は原則として同室に入って、その日の進行予定、次回期日までの課題等に関する説明を受けなければなりません(※)

調停期日では、調停委員という中立的立場の人が申立人及び相手方から話を聴く、必要な資料を提供させるなどし、合意形成に向けて話をまとめていきます1回の調停期日は2時間程度で、話がまとまらなければ2回、3回と継続します。

調停期日は月に1回程度のペースで進み、調停期日の回数が多くなれば多くなるほど手続きが終わるまでの期間は長くなります。

※相手方と顔を合わせたくない場合は、あらかじめ家庭裁判所に申し出ておきましょう。

調停成立OR不成立

離婚当事者が調停委員から示された合意案に合意した場合は調停成立です。

調停が成立した場合は調停調書という書類が作成されます。調停調書は判決と同一の効力を持ちます。

したがって、相手方が合意した内容を守らない場合は、調停調書を債務名義として相手の財産を差し押さえることができます。

他方で、相手方が連続して調停期日を欠席する、調停期日を複数回開いても話がまとまらない、離婚当事者が調停委員から示された合意案に合意しない場合などは調停不成立です。

調停不成立となると自動的に調停から審判に手続きが移行します。

調停は離婚当事者の合意により成立しましたが、審判ではそれまでの話し合いの経過を踏まえた上で、裁判官が一方的に結論を下す点が異なります。

⑥財産分与の調停で不利にならないための5つのポイント

離婚後の生活を考えると、できる限り、財産分与で不利になりたくないものです。

そこで、以下では、財産分与の調停で不利にならないための5つのポイントを解説してまいります。

財産分与の対象となる財産(共有財産)を把握する

まず、財産分与の対象となる財産を把握できなければ、相手方に「財産を分けて」と請求することができません。

そのため、まずは財産分与の対象となる財産を把握することから始めなければなりません

財産分与の対象となる財産、ならない財産については「②財産分与の対象となる財産ならない財産」でその一例をご紹介しました。

また、把握する、というのは、単に見て確認するというだけでなく、財産を裏付ける証拠資料を確保しておくことも含みます。

そもそも証拠資料がなければ、家事調停申立てに必要な「財産目録」を正確に作成することができません。

正確な財産目録を作成することができなければ、結局は必要、十分な財産を受け取ることができないことにつながってしまいます。

財産分与の対象となる財産を裏付ける証拠資料の一例 ※()内は取得先
不動産に関する証拠資料
  • 不動産登記簿(全部事項証明書)(不動産を管轄する法務局)
  • 固定資産評価証明書(お住いの市町村役場)
  • 査定書(査定を依頼した不動産業者)
車に関する証拠資料
  • 車検証の写し
  • 査定書(査定を依頼した自動車買取業者)
預貯金に関する証拠資料
  • 預金通帳の写し
  • 取引履歴(預貯金を預けている金融機関)
保険に関する証拠資料
  • 各種保険の保険証券の写し
  • 解約返戻金の証明書(契約している保険会社)
株式に関する証拠書類
  • お預かり資産の証明書(契約している証券会社)
退職金に関する証拠資料
  • 就業規則、退職金計算書(相手方の就業先)

※相手方が開示しない場合は、弁護士による23条照会、調停申立て後の裁判所による調査嘱託により明らかにすることも可能です。

借金に関する証拠資料
  • 償還予定表、残高証明書(借金を返済しているローン会社など)

離婚、別居する前に証拠書類を集め、それまで離婚を切り出さない

前記の証拠書類は極力、離婚前、別居前に集めておくのが理想です。

証拠書類の中には離婚、別居してしまうと集めることが難しくなる書類もあるからです。

また、離婚を切り出してから証拠書類を集めようとしても、単独名義の不動産を売却される、預貯金や解約した保険の解約返戻金を他人名義の口座に振り込まれるなど、様々な対策を講じられてしまうおそれがあります。

こうした対策を取られないようにするためにも、申立てするために十分な証拠書類を集めてから離婚を切り出すようにしましょう

なお、離婚前、別居前に証拠資料を集めることができなかった、という場合でも諦める必要はありません。弁護士に依頼すれば弁護士会を通じて、調停を申立てた後は裁判所の力を借りて様々な証拠資料を集めることができる可能性があります。まずは弁護士に相談することでしょう。

財産処分禁止の審判前保全処分を申し立てる

家庭裁判所に対して家事調停を申立てるとともに、財産処分禁止の審判前保全処分を申立てましょう

財産処分禁止の審判前保全処分とは、「勝手に財産を処分したらいけませんよ」という家庭裁判所から相手方に対する命令のことです。

「審判」という名がついていますが、家事調停を申し立てることを条件に同時に申し立てることができます。

申立てをするには、申立書により保全処分の必要性等を疎明する必要があります。

調停委員に主張(結論)を基礎づける「事実」を述べる

たとえば、調停で「財産分与の割合を増やしたい」という主張をするとします。

しかし、調停委員にいくらその主張をしたとしても、調停委員を納得させることはできません。

この場合、調停委員に「この人には財産分与の割合を増やしてあげたい」と思わせるような具体的「事実」を述べることが必要です。

たとえば、ご自身の仕事、家事・育児・介護、貯蓄等の面でどれだけ貢献してきたのかをできる限り具体的にアピールしましょう。

その際、感情的にならず、調停委員の言うことには素直に従って、調停委員を味方につけるという姿勢でいることが大切です。

弁護士に依頼する

財産分与の調停を申し立てるにしても「何から、どう始めてよいのか分からない」という方も多いのではないでしょうか?

弁護士に依頼すれば、前述した証拠書類を集めることから、調停手続きまでを一手に任せることができます

もちろん、ご自身で行わなければならないことはありますが、すべてをご自身で行う場合に比べて格段に負担は減るのは間違いありません。

また、あなたの味方になって主張してくれますのでより有利な結果を得ることができる可能性が高まります

少しでも財産分与のことで困ったら、まずは相談からでも気軽に始めてみてはいかがでしょうか?

まとめ

離婚後に財産分与の調停を行うにしても、離婚前、別居前から共有財産に関する証拠資料を集めるなど、財産分与に向けた準備を行っておくことが大切です。

仮に、事情により証拠資料を集めることができなかった、という場合でも、弁護士に依頼すれば様々な方法で証拠資料を集めることに努めてくれます。

ご自身で行うことに限界を感じたら、弁護士に相談してみてはいかがでしょうか?

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