セックスレスを理由に離婚できる?できるケース、できないケースを解説

この記事をご覧の方の中には「セックスレスを理由に離婚したい」と考えている方もおられるのではないでしょうか?

では、実際のところ、セックスレスを理由に離婚することはできるのでしょうか?

この記事では、そんな皆様の疑問にお答えすべく、

  • 離婚の形態別に、セックスレスを理由に離婚できるかどうか
  • どんなケースでセックスレスを理由に離婚できるのかできないのか
  • セックスレスを理由に離婚する際、どんな証拠を集めておけばよいのか

などについて離婚に詳しい弁護士が解説してまいります。

ぜひ最後までご一読いただき、セックスレスを理由に離婚する際の参考にしていただけると幸いです。

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①セックスレスとは

セックスレスとは夫婦間に性交渉がない状態です。

セックスレスになる原因には、

  • そもそも夫婦間で性交渉を望んでいない(しかし、夫婦間の仲はいい)
  • 夫婦が別々に遠距離で暮らしていて性交渉することが物理的に不可能
  • 夫婦が高齢で体力的に不安

など様々だと思いますが、上記の原因が離婚に発展することはほとんどありません。問題なのは、

夫婦のいずれかが性交渉を望んでいるものの、相手がそれを受け入れない

というケースではないでしょうか?

相手から性交渉を頑なに拒否されると、「この人と婚姻を継続できるのだろうか?」、「別に好きになった人ができたのではないだろうか?」、「浮気、不倫しているのではないだろうか?」などと疑心暗鬼になり、性交渉を望む相手としてはセックスレスを理由として「離婚しようか」と考えるようになるのです。

②セックスレスを理由に離婚できる?~離婚の形態別

では、セックスレスを理由に離婚できるのでしょうか?離婚と一言でいっても「協議離婚」、「調停離婚」、「審判離婚」、「裁判離婚」の4種類があります。

したがって、以下では、離婚の形態別にセックスレスを理由に離婚できるか否かを解説していきたいと思います。

協議離婚でセックスレスを理由に離婚できるか?

協議離婚とは、裁判所の助けを借りず、夫婦間の話し合いで(夫婦の合意に基づき)離婚する離婚形態のことです。

協議離婚では夫婦が離婚する際に決めなければならない事項(親権、養育費、財産分与など)に合意すれば、離婚の理由を問わず離婚することができます

セックスレスが離婚理由であるか否かにかかわらず離婚できるというわけです。

調停離婚でセックスレスを理由に離婚できるか?

調停離婚とは、家庭裁判所が夫婦間に入り、話し合いで(夫婦の合意に基づき)離婚する離婚形態のことです。

協議離婚との違いは夫婦間に家庭裁判所が入るか否か(裁判手続きが必要か否か)で、最終的に夫婦の合意に基づき離婚するという点では同じです。

したがって、調停離婚でも、セックスレスが離婚理由であるか否かにかかわらず(離婚理由を問わず)、離婚することができます

なお、裁判所が公表している「司法統計 家事 平成30年度 婚姻関係事件数-申立ての動機別申立人別」によれば、離婚調停の申立の動機(原因)として最も多かったのが、夫、妻の双方とも「性格の不一致」でした(ちなみに、妻側の二位は「暴力を振るう」、三位は「生活費を渡さない」)。

「性格の不一致」という中には様々な要素を含んでいるものと考えられますが、セックスレスもその要素の中の一つではないでしょうか?

そうすると、セックスレスを理由に離婚を望んでいる方も少なからずおられるのかもしれません。

審判離婚でセックスレスを理由に離婚できるか?

審判離婚とは、上記の調停手続きで、細かい取り決め事項につき合意に至らなかったため調停不成立となった場合に、その取り決め事項に関する裁判所の一方的判断(調停に代わる審判)を経た上で離婚する離婚形態のことです。

審判離婚は調停離婚の延長線上と想像するとよいでしょう。

したがって、審判離婚でも、調停離婚でも、セックスレスが離婚理由であるか否かにかかわらず(離婚理由を問わず)、離婚することができます

もっとも、夫婦は審判が告知されてから2週間以内に上記の審判に異議を申し立てることができます。

そもそも夫婦は離婚の取り決め事項に合意できなかったからこそ調停不成立となったわけですから、仮に審判を受けても、夫婦から異議を申し立てられる可能性が高いです。

そのため、調停不成立から審判手続きに移行することは極めて稀です。

裁判離婚でセックスレスを理由に離婚できるか?

裁判離婚とは、裁判所の一方的な判断で離婚することです。

これまでの離婚形態では夫婦の意思が重要視されていました。そのため、夫婦の意思が合致する限り、離婚理由は特段問題とされませんでした。

しかし、裁判離婚は、裁判所による一方的な判断で強制的に離婚させることができる手続きですから、いかなる理由でも離婚させることができる、とするわけにはいきません。

そこで、法律(民法)では裁判離婚できる理由(法定離婚事由)を①不貞行為、②悪意の遺棄、③3年以上の生死不明、④強度の精神病にかかり回復見込みがないこと、⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があること、の5つに絞っています。

この点、セックスレスが①~④に当たらないことは明らかです。

他方で、セックスレスが⑤に当たる可能性はありそうです。もっとも、⑤の概念が広いため、セックスレスが⑤に当たるかどうかはケースバイケースといえそうです。

③セックスレスを理由に離婚できる(その他婚姻を継続し難い重大な事由に当たり得る)ケース

それでは、セックスレスが「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に当たり得るケースをみていきましょう。

妻が子どもを望んでいるにもかかわらず性交渉を拒否し続けられた場合

妻が子どもを望んでいるにもかかわらず性交渉を拒否し続けられた場合は「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に当たる可能性があります。

出産を望んでいる女性にとって、子どもを産むことほど幸せなことはありません。

そうした女性にとってセックスレスとは相手との婚姻を継続する意味がないのに等しいこと、といっても過言ではありません。

女性の出産に対する希望が大きければ大きいほど、女性が高齢であればあるほど「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に当たる可能性は高くなるといえます。

セックスレス以外にも原因が疑われる場合

セックスレスそのものというよりセックスレスに陥った原因が「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に当たる場合も考えられます。

典型なのがセックスレスを拒否する相手の浮気、不倫ではないでしょうか?

単なる浮気、不倫では裁判離婚の法定離婚事由にはあたりませんが(浮気、不倫の発展形である不貞行為は法定離婚事由です)、浮気、不倫によって生活費を入れない、長期間別居している、などという事態が続けば「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に当たる可能性は十分にあります

その意味では遠因であるセックスレスを理由に離婚できるといえるでしょう。

④セックスレスを理由に離婚できないケース

セックスレスを理由に離婚できないケースとは、離婚理由が「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に当たらない場合です。

冒頭での「セックスレスとは」でも述べましたように、セックスレスに陥った原因は人により様々です。

それを一括りにして「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に当たるということはできません

  • そもそも夫婦間で性交渉を望んでいなかった場合
  • 仕事などが忙しくすれ違いで性交渉する機会が持てなかった場合
  • 病気等で物理的、肉体的に性交渉することが難しかった場合

などはセックスレスを理由に離婚することは難しいといえます。

⑤セックスレスを理由に離婚しようとする場合の特有の問題点

セックスレスを理由に離婚しようとする場合の特有の問題点は、セックスレスという問題が極めてプライベートで、夫婦以外の第三者の相談対応が難しい、という点です。

たとえば、夫から暴力を振るわれた、という場合は警察やDVの相談機関などに相談しやすいでしょう。

しかし、セックスレスについては、もともと夫婦が第三者に相談しづらい性質のもので、どうしても夫婦内で解消してしまいがちです。

また、仮に勇気をもって相談できたとしても、プライベートな問題ゆえに第三者がその相談に対応しづらいという特徴があります。

また、上記のとおりセックスレスはプライベートな問題ゆえに、それを離婚理由とする場合はックスレスを証明する証拠の集め方にも注意する必要があります。

つまり、基本的にセックスレスを客観的に証明できる証拠はありませんから、離婚に向けて、普段からご自身で証拠を集めておく必要があるのです。

⑥セックスレスを理由に離婚する際に必要となる証拠

では、セックスレスを理由に離婚する際にはどんな証拠が必要なのでしょうか?

以下では、裁判離婚を目指す際に、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」を証明するための証拠についていくつかご紹介してまいります。

日記

日記には、主に

  • 日頃の生活状況
  • 性交渉に関する状況

について記録します。

「日頃の生活状況」については、夫(又は妻)の生活パターン(何時に出社し、何時に帰宅するかなど)を記録します。

日頃の生活状況を記録する趣旨は、セックスレスを離婚理由とする場合に、相手からの「仕事などが忙しくすれ違いで性交渉する機会が持てなかった(性交渉する機会を持てなかったことはやむを得ないことだ)」という主張を潰すためです。

次に「性交渉に関する状況」については、あなたが夫(又は妻)に対して性交渉を求めた日、性交渉を求めた際の言動、相手の言動・反応状況などを記録します。

これらのことを記録することで、相手からの「あなたがセックスレスを望んでいた」という主張を潰すことができます。

また、あなたが相手との性交渉のために努力をしていた、それにもかかわらず改善されなかった、ということを証明するための証拠にもなり得ます。

メール、ボイスレコーダー

上記のことを日記に記録することが難しい場合は、メールやボイスレコーダーで記録するのも一つの方法です。

もっとも、メールの場合は、裁判官が一連のメールからどんな内容の会話をしているのか分かるように記録・保存しておくことが大切です。

また、ボイスレコーダーの場合は、相手の承諾を得る必要はありませんが、相手から録音していることに気づかれないことはもちろん、音声が鮮明に記録されるかどうか(裁判官が聴いて会話の内容が分かるかどうか)についても気を付ける必要があります。

⑦セックスレスと慰謝料

最後に、

  • セックスレスを理由とする慰謝料請求の可否
  • セックスレスを理由とする場合の慰謝料の相場と慰謝料算定の要素

について解説してまいります。

セックスレスを理由とする慰謝料請求の可否

慰謝料は「精神的苦痛」に対する賠償です。そして、精神的苦痛を受けた、というためには、相手の行為が「不法行為」といえなければなりません。

では、いかなる場合に相手の行為が不法行為に当たるのかといえば、それは、あなたの相手との婚姻関係を築いていくという利益が害されたときです。

最高裁判所(最判昭和37年2月6日)は、性交渉が婚姻関係を築いていく上での重要な要素であることを認めています

したがって、性交渉の機会すら得られないセックスレスは「不法行為」に当たり、それによってあなたは精神的苦痛を被ったということになって慰謝料請求することができる可能性があるのです。

セックスレスが不法行為に当たる場合としては、前述した離婚理由と重なりますが、たとえば、「理由もなく性交渉を頑なに拒否し続けられた場合」、などが考えられます。

他方で、セックスレスが不法行為に当たらない場合としては、たとえば、「夫婦のいずれもが性交渉を望んでいない場合」、などが考えられます。

セックスレスを理由とする場合の慰謝料の相場と慰謝料算定の要素

セックスレスを理由とする場合の慰謝料の相場は10万円~300万円です。

幅が広いため参考にならないかもしれませんが、これには理由があります。すなわち、慰謝料を算定するためには

  • 婚姻期間
  • セックスレスに至るまでの経緯
  • 相手の性交渉に対する対応
  • 子どもの有無
  • 相手の社会的地位、年収

など様々な要素を勘案しなければならず、これらの要素の内容は人それぞれの事情によって異なるからです。

セックスレスを理由に慰謝料を請求する場合は、慰謝料算定の際に考慮される有利な事情をいかに主張、立証できるかが高額な慰謝料を獲得するためのポイントとなります。

まとめ

協議離婚、調停離婚、審判離婚ではセックスレスを理由とするか否かにかかわらず、夫婦が離婚すること、離婚のために取り決めるべき事項に合意すれば離婚することができます。

他方で、裁判離婚では、セックスレスが「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に当たるかどうかがまず問題となります。

裁判でセックスレスを理由に離婚をする場合は、集めた証拠で「その他婚姻を継続し難い重大な事由」を証明できるかがポイントです。

いずれの離婚形態で離婚するにせよ、セックスレスは夫婦にとっても非常に難しい問題であるがゆえに、セックスレスを離婚理由とする場合は話し合いや裁判が難航することが予想されます。

今現在、セックスレスでお悩みで離婚を検討されている方がおられましたら、早めに弁護士へ相談することをお勧めいたします。

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