離婚届不受理申出の申請方法や解除方法をわかりやすく解説します

夫婦の一方が離婚を望まなくても、もう片方が離婚届を提出してしまえば法律上は協議離婚が成立してしまいます

「困るんだけど!もしそうなったら撤回はできないの?」そう思われる方もいることでしょう。

協議離婚が有効に成立するには

  • 当事者の離婚に関する合意
  • ②離婚届の提出

の2つの要件が必要ですので、夫婦の片方が無断で離婚届を提出しても①の要件を満たしません

そのため後からその離婚の無効を主張できます。

しかし一旦成立した離婚を覆すためには裁判所を介した面倒な手続きが必要です。

そこでここでは、夫婦の一方が勝手に離婚届を提出しても離婚が成立しないよう、未然に防止するための「離婚届不受理申出の制度」について弁護士が解説していきます。

およそ4分で簡単に読めますし、離婚届不受理申出の申請方法や、後から申出を取り下げしたくなった場合の解除方法がわかりやすく解説されていますので、最後までご一読されることをお勧めします。

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離婚届不受理申出とは

冒頭で述べたように協議離婚が成立するためには①当事者の離婚に関する合意と、②離婚届の提出、この2つの要件を満たせば簡単に離婚が成立してしまいます。

離婚届に押印するハンコは認印でも良いとされているため、100円ショップで購入したもので簡単に偽造できてしまいます。

そして離婚届を受けた役所は提出された書類を審査しますが、あくまでも形式的に審査するだけで、本当に当事者が離婚についての意思が合致しているかどうかまでは確認しません

そのため、偽造された離婚届が提出された場合でも法律上は離婚が成立してしまうのです。

もちろん①当事者の離婚に関する合意の条件が欠けている以上、後からこの離婚を取り消すことはできますが、手続きが煩雑ですし、戸籍に離婚したことが記録が残ります(これも後で元に戻せますが非常に面倒です)。

そこで、こういった不正な離婚の成立を阻止するために利用できる制度として、離婚届不受理の申出という制度があります。

これは、夫婦のどちらか一方が相手に内緒で離婚届を提出するような場合に備え、その届が役所で間違って受理されないように事前に手続きしておくものです。

相手が不正な離婚届を役所に提出する前に、この離婚届不受理の申出をしておけば、離婚届が受理されることを阻止することができるのです。

なお、「一旦は離婚を考えて離婚届に署名押印してしまったが、やっぱり離婚はやめておこう」と考えを改めた場合でも利用できる制度ですので、相手が役所に離婚届を提出する前に早急に離婚不受理申出の手続きをする必要があります。

離婚届不受理申出の申請方法

離婚届の不受理申出を実際に行うためには、まず事前準備することが大切です。

こちらでは、手続きを行うべき役所がどこなのか、不受理申出をするための届出用紙の入手方法などに関してご説明します。

不受理申出書の入手

離婚届不受理申出をするためには、まず届出を行うための用紙を手に入れる必要があります。もっとも確実な入手方法は、提出を予定している役所に出向き、不受理申出書をもらってくることです。ただし、その場合には平日の営業時間中に役所に出向く手間がかかります。

もしその手間を省きたいのであれば、ここから離婚届不受理申出書をダウンロードすることもできます。

ただし届出をする役所によっては、ダウンロードした申出書のフォーマットが認められない恐れもありますので、事前に役所に問い合わせすることをお勧めします。

用紙サイズはA3

役所で使用されている離婚届不受理申出書は、A3サイズとなっています。日常わたしたちがよく利用するA4サイズの倍の大きさです。そのため、ダウロードしたひな形はA3サイズでプリントアウトするか、A4でプリントアウトしたものをコンビニのコピー機などでA3サイズに拡大コピーして利用することになります。

A3サイズの申出書が用意できたら、実際に不受理申出書を書く段階に入ります。

手続きを行う役所

離婚届の不受理申出を行う場合、法律で定められた一定の市区町村役場で手続きすることが必要となります。

具体的には、つぎのような役所で不受理の申出を行うことになります。

住所地の役所

離婚届の不受理申出は、住所地(住民票上の住所地のほか、一時滞在している居住地でも可能)を管轄する市区町村役場で行うことができます。

本籍地を管轄する役所が遠方である場合などには、住所地の役所で行うと便利だと思います。ただし、実際に不受理申出の手続きが行われるのは、あくまでも本籍地の役所です。このため本籍地以外の役所に不受理の申出がなされた場合、住所地の役所から本籍地の役所まで書類が転送されることになります。この場合には、その分、余計な時間がかかることになってしまいます。

本籍地の役所

離婚する場合、その旨が当事者の戸籍に記載されることになります。離婚に関する戸籍事務を行うのは、最終的には本籍所在地を管轄する役所です。

離婚届の不受理申出は、本籍地ではなく住所地の役所でも行うことができますが、その場合には住所地の役所から本籍地の役所まで書類が転送されることになります。そして最終的には、本籍所在地の役所で不受理申出の受理がなされることになるのです。

このため、住所地と本籍地が異なる場合において、住所地の役所に不受理申出を行うと、本籍地の役所へ書類を転送するため時間が余計にかかることになります。

離婚届不受理の申出は、相手が不正な離婚届を提出する前に行う必要があります。このため、不受理の申出は場合によっては一刻を争う必要があります。不受理申出書が転送されている間に、万一不正な離婚届が提出されてしまった場合、離婚が成立してしまうかもしれません。

この危険性を考えた場合には、不受理の申出は、なるべく本籍地の役所で行うほうがよいと思われます。

手続きに必要な書類など

離婚届不受理の申出を役所で行う場合には、つぎのような物が必要となります。忘れずに持参するようにしてください。

①離婚届不受理申出書

離婚届不受理申出の手続きをするためには、上記で作成した不受理申出書の提出が必要です。

②ハンコ

不受理申出をする際には、ハンコを持参してください。

このハンコは、いわゆる認印で結構です。しかし、ゴム印やシャチハタなどは認めてもらえませんので注意が必要です。

③本人確認書類

不受理申出をするには、役所の窓口で本人確認を受けることになります。

そのため、本人確認できる書類を持参する必要があります。本人確認書類としては、免許証やパスポート、マイナンバーカードなどが挙げられます。

役所の運用によっては、顔写真付きでない書類の場合、そのほかにも本人確認書類の提示が求められることがあります。できるだけ、顔写真付きの確認書類を持参するとよいでしょう。

不受理申出書の提出方法

離婚届の不受理申出書は、夫婦の本籍地を管轄する役所で行うことがお勧めです。現在の住所地などの役所で行うこともできますが、上述のように余計な時間がかかってしまい、その間に不正な離婚が成立してしまう恐れがあるからです。

不受理申出書は、つぎのような方法で役所に提出することになります。

役所の窓口で提出する

離婚届不受理申出書を提出する場合、役所へ出向き、窓口で提出することが原則です。

離婚届の不受理申出は、場合によっては一刻を争う問題である可能性があります。もっとも早く手続きを完了するためには、本籍地の役所の窓口に提出することが一番です。

郵送での手続きはできない!

離婚届不受理申出書は、原則として役所に郵送して提出することが認められていません。また、基本的に夫婦以外の者が代理人として不受理の申出をすることもできません。

離婚届は郵送や代理人などによる提出が認められていますが、不受理申出に関しては扱いが異なるので注意してください。

離婚届不受理申出の有効期間

何らかの事情によって夫婦の相手方が勝手に不正な離婚届を提出する恐れがある場合、離婚届の不受理申出をしておくのは、非常に有効な手段と言えます。

以前の扱いでは、この不受理申出には6か月という有効期限がありました。しかし現在は、この扱いが変更され、有効期限がなくなっています。つまり、不受理申出後6か月を経過しても、申出の取下げがない限り離婚届が受理される恐れがなくなっているのです。

離婚届不受理申出の解除(取り下げ)方法

離婚届不受理の申出は、申出をした本人であれば解除(取り下げ)することが可能です。

申出の効力を消滅させるためには、申し出た本人が役所に「不受理申出の取り下げ書」を提出する必要があります。

なお、当事者に正式に離婚の合意が成立し、正当な方法で離婚届が提出される場合などには、不受理申出は離婚届の提出と同時に解除することも可能です。

取下げ書のひな形

離婚届不受理申出を取下げるためには、まずは取下げ書を入手する必要があります。

取下げ書の入手方法として、もっとも確実なのは手続きを予定している役所で用紙をもらってくることです。離婚届と異なり、不受理申出の取下げ書は記入すべき箇所がそれほど多くありません。このため役所で用紙をもらい、その場で記入して窓口に提出すると手間がかからず便利です。

ひな形はダウンロードも可能

取下げ書のひな形は、ここから不受理申出の取り下げ書をダウンロードできます。離婚届不受理申出書と同様、この取下げ書もA3サイズでプリントアウトする必要があります。

なお、取下げを行う役所の運用によっては、ダウンロードしたひな形が利用できない可能性があります。手続きを行う際には、事前に確認しておくことをおすすめします。

取り下げの申出地

申出する人の本籍地・住所(住民票上の住所)のほか、所在地(住民票はないが一時的に滞在している場所)の地区町村役場でも手続き可能です。郵送での申出はできませんので注意が必要です。

取下げに必要な書類など

役所において離婚届不受理申出の取下げ書を提出する場合には、取下げ書のほかにつぎのような書類などが必要となります。

身分証明書

不受理申出の取下げを行う場合、役所の窓口で本人確認が行われます。このため、身分証明書を持参する必要があります。役所によっては運転免許証やパスポートなど顔写真付きの証明書が必要となることがありますので、できれば写真のある身分証明書を持参することをおすすめします。

ハンコ

不受理申出の取下げ書を提出する際には、申出人のハンコが必要となることがあります。認印で結構ですので、忘れずに持参してください。

離婚届不受理の申出前に離婚届が受理された場合

離婚届不受理の申出をする前に、万一不正な離婚届が役所に提出され、それが受理されてしまったらどうしたらいいでしょうか?

不正な離婚届が役所で受理されてしまった場合、たとえそれが不正な離婚届であったとしても、形式的には離婚が成立してしまいます。

少し専門的な話になりますが、この場合、厳密には法律上離婚は成立していません。離婚は、「形式的」に成立しているだけなのです。このため正確には、離婚の取り消しを求めるのではなく、離婚の無効を主張する必要があります。

実質的には無効な離婚であったとしても、形式的に離婚が成立してしまっている以上、裁判所において離婚の無効を主張するしか方法がないのです。離婚の無効を主張するためには、つぎのような手続きが必要となります。

調停の申し立て

すでにご説明させていただいたように、不正な方法で離婚が成立した場合、その離婚は法律的に見て無効です。そのため、まずは離婚の無効を主張して調停を申し立てることになります。これを「協議離婚無効確認調停」といいます。

この調停の中で、不正な離婚届を作成・提出した相手方が離婚の無効を認めた場合、裁判所は職権をもって必要な事実を調査することになります。そして、お互いの合意が正当と認められたときは、合意に相当する審判をします。この審判が確定することによって、離婚の無効が法律上確定することになります。

しかし、当事者間で離婚が無効である旨の合意が成立しない場合、調停は不成立となり終了することになります。調停不成立後も離婚の無効を主張する場合には、訴訟を提起する必要があります。

参考:「協議離婚無効確認調停」(裁判所サイト)

訴訟の申し立て

協議離婚無効確認調停が成立しなかった場合、協議離婚が無効であることの確認を求めて訴訟を提起することになります。

訴訟の結果、離婚を無効とする判決が出た場合、判決の確定をもって離婚の無効が確定することになります。戸籍の訂正を求める場合には、判決謄本に判決の確定証明書などを添付して、本籍地の役所に申請することになります。

まとめ

今回は、「離婚届不受理の申出」をメインに解説させていただきました。

夫婦の相手方が自分に内緒で勝手に離婚届を出してしまった場合、大変なことになりかねません。虚偽の離婚届が役所によって間違って受理された場合、その夫婦は離婚したものとして扱われることになってしまうからです。そのような場合に離婚を取り消すためには、家庭裁判所において調停や裁判などを行わなくてはならなくなります。それでは手間暇がかかり、精神的にも大変な思いをすることになってしまいます。

夫婦の関係に、もしそのような危険性がある場合には、今回ご紹介した「離婚届不受理の申出」という制度の利用を検討する必要があります。この制度を利用することで、不正な離婚が成立することを未然に防止することができるのです。

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